星光無線につとめるタクシードライバーの栗山桃子(宮内知美)は営業成績が社内で最低、おまけに事故を起こして修理代も支払わなければならず、とうとう社長(木下ほうか)から成績が上がらなければクビだと宣告されてしまった。
成績トップの同僚・浅間出乱子(琴乃)は落ち込んだ桃子を優しく励ましてくれる。実は桃子、ある事故がきっかけで22歳以前の記憶がない。自分の行き先がわからない桃子は、行き先を指示してもらえるタクシードライバーという仕事を選んだのだ。桃子の抱える事情を知った乱子は桃子をそっと抱きしめる。だが、桃子は誰かに抱きしめられるとエッチな気分になってしまう体質の持ち主。エロエロになった桃子は乱子と女同士のエッチへとなだれ込んでいくのだった。
乱子のアドバイスを受けて、桃子は“女の武器”を仕事に利用することにした。スカートに網タイツ姿で美脚をアピールし、男性客を集めることに大成功。そしてスカートはさらに短く、サービスはさらに過激に……。
こうして見事に売り上げを伸ばした桃子だが、過激なサービスをおこなっているのが会社にばれてしまった。その上、売春容疑で警察の捜査の手が迫り、やむなく逃げ出す羽目に。
行くところもなくなり、あてもなくタクシーを走らせる桃子は、わけあり気な男・町田(金橋良樹)を最後の客として乗せることにする。
町田が口にした行き先は熱海。町田との旅の中で、桃子の脳裏に失われた記憶の断片が蘇ってくる……。
後ろから前から
監督:増本庄一郎
出演:宮内知美 琴乃 聡太郎 金橋良樹 街田しおん 木下ほうか ほか
2010年2月27日(土)よりユーロスペースにて2週間限定レイトショー
2010年/デジタル上映/71分
1971年から1988年まで17年間にわたり1133本という膨大な作品群を送り出した“日活ロマンポルノ”。当時の男性たちを熱狂させただけでなく、監督や俳優をはじめ多くの人材を送り出し、その後の日本映画に与えた影響ははかりしれない。その伝説が21世紀に蘇る“ロマンポルノ RETURNS”の第2弾として登場するのが『後ろから前から』だ。
オリジナル作品は1980年公開の小原宏裕監督作品『後から前から』。主演の畑中葉子が歌う「後から前から どうぞ」のフレーズも印象的な主題歌が記憶にある人も多いだろう。今回、再誕生を果たした『後ろから前から』は、主人公を女性タクシードライバーに設定。笑いの要素を散りばめ、往年のロマンポルノ・コメディー路線の系譜を継ぐ作品に仕上がった。
主演をつとめるのは3代目ミニスカポリスとして人気を博し、2009年に『エッチを狙え! イヌネコ。』でフルヌードを披露し話題となった宮内知美。今回も美しい裸体を惜しげもなく披露する大胆な演技を見せてくれる。共演には、セクシーさで人気の琴乃、個性派の木下ほうか、街田しおん、金橋良樹、聡太郎といった俳優陣が顔を揃えた。
監督は俳優としての顔も持つ増本庄一郎。お笑い出身で『板尾創路の脱獄王』やNHKドラマ「ゴーストフレンズ」で脚本を担当、カンフーコメディー映画『真一文字拳』で劇場作品初監督をつとめた注目の新鋭だ。今回はお色気に独特のお笑いセンスを散りばめたロードムービーとして『後ろから前から』を完成させた。
もちろんあの主題歌も「後ろから前から・RETURNS」として宮内知美の歌で復活。笑いとエロスと、そして意外にもちょっとした感動も与えてくれる異色作の誕生だ。
- 宮内知美
- 琴乃
- 聡太郎
- 金橋良樹
- 街田しおん
- 木下ほうか
- 監督・脚本:増本庄一郎
- 企画:成田尚哉
- プロデューサー:西村圭二/千葉善紀
- 製作:「ロマンポルノ・リターンズ」製作委員会
- 配給・宣伝:日活