アトムの足音が聞こえる
監督:富永昌敬
出演:大野松雄 ほか
2011年5月21日(土)よりユーロスペースにてレイトショー ほか全国順次公開
2010年/16:9/ステレオ/82分
1963年にスタートした日本初の連続テレビアニメ「鉄腕アトム」で、アトムは「ピョコピョコ」という足音を響かせながら歩いていた。「金属でできたロボットの足音」にはそぐわないかに思えるこの音は、そのほかの効果音ともあいまって独特の未来世界のイメージを生み出した。映画『アトムの足音が聞こえる』は、この「アトムの足音」を作り出した男を追ったドキュメンタリーである。
「アトムの足音」を作り出したのは、音響デザイナーの大野松雄。1930年生まれの大野は、文学座、NHK効果団を経てフリーの音響デザイナーとして活躍し、テレビドラマや映画などに携わった。1950年代に登場した電子音楽に興味を持っていた大野は、「鉄腕アトム」において電子音楽の技術を大胆に取り入れたのだ。
『アトムの足音が聞こえる』は、現在の日本映画界を代表する音響監督である柴崎憲治らへの取材により映像作品における音響効果の役割を明らかにするとともに、「宇宙戦艦ヤマト」を手がけた柏原満や「機動戦士ガンダム」を手がけた松田昭彦らへの取材により、国産アニメの音響における大野松雄の多大な影響を明らかにしていく。そして、1980年以降、アニメ業界から姿を消した大野松雄のその後の活動を追う。
『パンドラの匣』『乱暴と待機』などの富永昌敬監督が初のドキュメンタリーに挑戦。音響効果には多くのアーティストとの活動で知られるパードン木村、ナレーションは音楽に留まらず活躍する野宮真貴が担当している。
現在も意欲的に多岐にわたった活動を繰り広げる大野松雄。彼の足音はどんな音を響かせるのか?
- 大野松雄
- 柴崎憲治
- 竹内一喜
- 大和定次
- 杉山正美
- 高橋厳
- 柏原満
- 桜井勝美
- 田代敦巳
- 町田圭子
- 小谷映一
- ひのきしんじ
- 松田昭彦
- Open Reel Ensemble
- 齋藤昭
- 湧井康貴
- 村上浩
- 由良泰人
- レイ・ハラカミ
- 金森祥之
- ナレーター:野宮真貴
- 監督:冨永昌敬
- 企画・プロデューサー:坂本雅司
- プロデューサー:大野敦子
- 企画協力:奥村健
- 撮影:月永雄太/冨永昌敬
- 仕上担当:田巻源太
- 助監督:原田健太郎
- 音響効果:パードン木村
- 製作:シネグリーオ
- 助成:文化芸術振興費補助金
- 配給・宣伝:東風