洋菓子店コアンドル
監督:深川栄洋
出演:江口洋介 蒼井優 戸田恵子 ほか
2011年2月11日(金・祝)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネクイントほか全国ロードショー
2010年/カラー/ビスタサイズ/DTSステレオ/115分

『闇の子供たち』『パーマネント野ばら』などの劇場用作品やテレビドラマで活躍する江口洋介。『百万円と苦虫女』『雷桜』など話題作への主演の続く蒼井優。そして『60歳のラブレター』『白夜行』などを手がける日本映画界期待の若手監督・深川栄洋。人気と実力を兼ね備えたふたりの俳優と気鋭の監督が豪華な顔合わせを果たすのが『洋菓子店コアンドル』だ。
江口洋介が演じるのは、あるきっかけからケーキ作りを辞めてしまった伝説のパティシエ・十村。一見クールな佇まいの中に過去の苦悩を巧みに覗かせ、十村という人物を奥行き深く表現してみせる。
蒼井優が演じるのは、恋人を追って鹿児島からやってきたケーキ屋の娘・なつめ。方言丸出しで周りと衝突することも多いが、ケーキ作りへのひたむきさを持ったなつめを、リアリティを持って演じている。
そのほか、十村となつめが出会う人気の洋菓子店・コアンドルのオーナーである依子に声優としてもおなじみの戸田恵子、コアンドルのパティシエ・マリコに個性が光る江口のりこ、なつめの恋人の海千尋に「ROOKIES」シリーズの尾上寛之、コアンドルの常連・芳川さんに『スープ・オペラ』での好演も記憶に新しい加賀まりこと、若手からベテランまで実力派キャストが共演している。
おいしいケーキやスイーツに導かれる、人と人との出会い。その中で、心の傷から立ち直ろうとする十村やなつめたち……。ただ甘いだけではなくて、ちょっと苦さもあるけれど、あなたをきっと笑顔にしてくれる。『洋菓子店コアンドル』は、そんな洋菓子のような映画だ。

製菓学校の講師をつとめる十村遼太郎(江口洋介)は、多くの客で賑わう洋菓子店“パティスリー・コアンドル”を久々に訪れる。そこへ、大きな荷物を持ったひとりの女性が現われた。その女性・臼場なつめ(蒼井優)は、オーナー兼シェフの依子(戸田恵子)に「海くんはいますか?」と尋ねてきた。なつめは、この店で働いてるはずの“許婚”の海千尋を訪ねて鹿児島からやってきたのだが、海はすでに店をやめてしまっており、依子は詳しい事情も教えてくれない。
コアンドルがスタッフを募集していることに気づいたなつめは、海を探し出すまで店で働かせてほしいと切り出す。ケーキ屋の娘だというなつめの実力を試すため、依子たち店のスタッフと十村がなつめの作ったケーキを試食するが、下されたのは厳しい評価。だが、コアンドルのケーキを食べてその味に惹かれたなつめは、改めて店で働かせてほしいと頭を下げ、その熱意にとうとう依子も折れた。
こうしてなつめは店に住み込みで働きはじめることになった。依子のパートナーであるジュリアン(ネイサン・バーグ)、先輩のマリコ(江口のりこ)、店の常連の婦人・芳川さん(加賀まりこ)たちの中で、失敗を重ねつつ修行に励むなつめ。
やがて、なつめは十村が国際コンクールで何度も優勝した経験を持つ“伝説のパティシエ”であることを知る。その十村がなぜパティシエを辞めたのか、依子は理由を知っているようなのだが、なつめの質問にもはっきり答えようとはしない。
そんなある日、偶然のきっかけから海の現在の居場所を知ったなつめは、海(尾上寛之)と再会を果たすのだが……。
そして、思わぬ事態がコアンドルにも訪れる……。