ある“計画”を実行した5人の若者たち。彼らが手に入れたのは、帯封の付いた札束が5000万円分。それに加えてバラの札が25万円分の、しめて5025万円。
リーダー格の上野一成(植野掘まこと)に率いられた5人は、上野の後輩・北沢辰也(馬場良馬)の知り合いが管理する建物へと身を隠した。実行にあたった上野と辰也、見張り役の野間美奈(安亜希子)と宮脇千絵(土方くるみ)、車の運転手をした谷中洋平(標永久)、それぞれの働きに応じて、あらかじめ決めた割合で金を分けて終わり。すべては計画どおりのはずだった。
きっかけは、些細な出来事だった。5000万円を分けたあと残った25万円をどう分けるか。その議論が、やがて金の分け方への不満へとつながっていく……。
そもそものの始まりは、上野の借金だ。膨らんだ借金は、いつしか利子すら満足に払えなくない額に膨らんでいた。闇金の社長・守屋(草野康太)から執拗に返済を迫られていた上野は、ちょうど連絡してきた洋平に助けを求める。その洋平が持ちかけてきたのは、ある老人が自宅に置いている巨額の現金の強奪計画。上野がその誘いを断る理由はなかった。計画に加わるのは、洋平の彼女の千絵と、その友達の美奈。ほかにも人手が必要だと、上野は辰也に声をかける。上野に逆らえない上、闇金にも上野の知り合いだと知られてしまった辰也もやむなく計画に参加することに。
そして成功したかに思えた計画は、最後の最後で混乱へと向かう。真夏の密室に身を隠す5人の心に生まれていく欲望や不信。その中で5人が選ぶのは? 大金の行方は?
クレイジズム
監督:窪田将治
出演:馬場良馬 安亜希子 植野堀まこと 標永久 土方くるみ ほか
2011年4月16日(土)よりシネマート六本木にて公開
2011年/カラー/HD/16:9/80分
大金を奪って密室へと逃げ込んだ5人の若者たち。すべては計画どおりに進んでいたかに見えたが、ささいなきっかけから筋書きは“狂い”はじめる――。『失恋殺人』がモントリオール国際映画祭に出品され話題を集めた気鋭の監督・窪田将治が、密室サスペンス『クレイジズム』で人の心に潜む狂気を描き出す。
この意欲的な作品に起用されたのは、いま期待を集める若手俳優たちだ。主人公の辰也を演じるのは、ミュージカル「テニスの王子様」手塚国光役で人気となり、主演作『タクミくんシリーズ Pure〜ピュア〜』など映画や舞台への出演が続く馬場良馬。5人の若者のリーダー格となる上野には、元・いいとも青年隊で『愛の言霊〜世界の果てまで〜』で映画初主演をつとめた植野堀まこと。洋平役にはジュノン・スーパーボーイ・コンテスト出身で「大魔神カノン」などに出演し『Oh! 透明人間』で主演をつとめた標永久。いずれも劇場映画主演経験を持つ人気急上昇中の美形男優3人に、いまおかしんじ監督作などに出演する安亜希子、窪田監督作には3作目の出演となる土方くるみというふたりの女優を加えた5人が、人間の深い心理を露わにするハードな作品に挑んでみせた。
また、『アワ・ブリーフ・エタニティ』などの実力派・草野康太が闇金融の社長・守屋を演じて若手をしっかりと支えるのをはじめ、女子プロレス団体・アイスリボンから志田光と藤本つかさが出演するなど、共演陣にも注目だ。
密室での極限状態を表現するため、実際に40時間以上に及ぶ連続撮影を敢行。その成果は画面からもリアルな空気として伝わってくる。
- 北沢辰也:馬場良馬
- 野間美奈:安亜希子
- 上野一成:植野堀まこと
- 谷中洋平:標永久
- 宮脇千絵:土方くるみ
- キョウコ:志田光
- シオリ:藤本つかさ
- 守屋潤一:草野康太
- 監督・脚本:窪田将治
- エグゼクティブプロデューサー:佐藤肇
- プロデューサー:斉藤三保
- 撮影:松林彩
- 録音:田邊茂男
- ヘアメイク:藤川美紗
- 音楽:與語一平
- 制作プロダクション:FAITHentertainment
- 製作:FAITHentertainment/ネオプラス