畑が広がる群馬県前橋の田舎町。この町に住むタクジ(風間俊介)はヴィジュアル系バンドのボーカルをしている。リーダーでギターのジュン(黄川田将也)、ドラムのシュンジ(杉浦太雄)、ベースのケン(藤田玲)と組んだ“プリンシパル”は結成3年目。しかし数人の熱心なファンはいるものの、ライブの動員は伸び悩むどころか減少傾向。CDやグッズも大して売れはしない。それでもいつしかメジャーになることを目指すタクジは、姉の美佐(吉田羊)に呆れられながらも、姉夫婦の営む農業を手伝いながら音楽活動に励んでいる。
ところがある日のライブ終了後、ジュンがバンドを抜けたいと言い出した。父親が入院したのをきっかけに、家業の農家を継ぐことを決心したのだという。キャバ嬢のミミコ(森下悠里)と付きあって気楽に過ごしているように見えたジュンの決断に戸惑いを覚えるタクジ。
リーダーを失ってプリンシパルはバンド存続の危機に陥った。それを知り、農協職員でプリンシパルのファンのマヨコ(八代みなせ)は、タクジの元を訪れて「やめないでください!」と想いをぶつける。そして、ライブで対バンになったパンクバンド・鈍牛のボーカル&ギターの龍二(加藤和樹)もプリンシパルを気にかけてくれていた。自分たちを応援してくれる人々の存在に改めて気づくタクジ。一方で、義兄の信二(宍戸開)からは農業に本腰を入れてみないかと話をもちかけられ、タクジは決断を迫られる――。
やがてプリンシパルに訪れる奇跡のようなチャンス! そのときタクジは? バンドのメンバーたちは?
前橋ヴィジュアル系
監督:大鶴義丹
出演:風間俊介 黄川田将也 杉浦太雄 藤田玲 ほか
2011年3月12日(土)よりシネ・リーブル池袋にて先行ロードショー 4月9日(土)よりイオンシネマ高崎、イオンシネマ太田ほか全国順次公開
2011年/カラー/ビスタサイズ/DTSステレオ/105分
「3年B組金八先生」で注目を集め、ドラマや舞台で着実にキャリアを積み重ねる風間俊介が、俳優・作家としても活躍する大鶴義丹の監督作『前橋ヴィジュアル系』で、初の映画主演を果たす。
前橋で農業を手伝いながらヴィジュアル系バンドのボーカルをやっている青年・タクジ。ところがギタリストが脱退してバンドは活動休止のピンチ! おまけにタクジ自身も音楽か農業かの決断を迫られて……。マイクを選ぶか? ネギを選ぶか?
タクジを演じる風間俊介は、夢を抱きつつも現実と向き合わなくてはならない若者の葛藤をリアルに表現。コミカルな演技も見せる一方で、バンドのライブシーンではさすがの表現力を見せてくれる。
そして『仮面ライダー THE FIRST』『真夏のオリオン』などの黄川田将也、『仮面ライダー剣』『鳶がクルリと』の杉浦太雄、「牙狼」『20世紀少年』の藤田玲の3人が、タクジのバンドのメンバー役で“ヴィジュアル系”に挑戦。また、ミュージシャンとしても人気の加藤和樹の意外な役どころも注目だ。そのほか『片腕マシンガール』の八代みなせ、グラビアで活躍する森下悠里の若手女優陣もそれぞれの役を好演し、宍戸開、吉田羊がたしかな演技で映画の奥行きを深めている。さらに音楽が題材の映画にふさわしく、ミュージシャンのダイアモンド☆ユカイやマーティー・フリードマンも出演している。
企画・原案も大鶴監督がつとめ、脚本は俳優としての顔も持つ東京深夜舞台の脚本家・一雫ライオンが担当。人気のヴィジュアル系バンド・heidi.が主題歌を担当するとともに劇中にも出演している。
夢を追い続ける一方で感じる不安や焦燥感。若者の心理を巧みに描き出した、ほろ苦くて、だけど爽やかな青春映画の誕生だ。
- タクジ:風間俊介
- ジュン:黄川田将也
- シュンジ:杉浦太雄
- ケン:藤田玲
- マヨコ:八代みなせ
- ミミコ:森下悠里
- ジュンの父親:新城隼人
- ライブハウスのマスター:ダイアモンド☆ユカイ
- トーマス:マーティ フリードマン
- 農協の課長:つまみ枝豆
- アナウンサー:徳光和夫
- heidi.:heidi.
- 信二:宍戸開
- 美佐:吉田羊
- 龍二:加藤和樹
- 企画・原案・監督:大鶴義丹
- 脚本:一雫ライオン
- 製作:松田英夫/太代眞裕/重村博文/二村慈哉
- エグゼクティブプロデューサー:軽部進一
- プロデューサー:三井昭彦
- アソシエイトプロデューサー:山崎将直
- キャスティングプロデューサー:山口正志
- 撮影:倉本和人
- 照明:淡路俊之
- 録音:飴田秀彦
- 助監督:佐高美千代
- 音楽プロデューサー:寺田和史
- 音楽:EDISON
- 主題歌:heidi.「月光ショータイム」(ジェネオンユニバーサル)
- 衣裳協力:シンク
- 製作:「前橋ヴィジュアル系」フィルムパートナーズ
- 制作プロダクション:リンクライツ
- 配給:ケイダッシュステージ/リンクライツ