長期出張に出かける母親が高校2年生の悠也(高橋龍輝)に残していったのは、妹の面倒を見るようにという伝言。家に帰ると、昼寝をしている“妹”がいる。妹のみらい(谷内里早)について悠也が知っているのは、みらいが、元“魔法少女”だということだけだ。
みらいが家に来て半年、まだみらいとの生活にぎこちなさを感じる悠也は、幼なじみでクラスメイトの千花(森田涼花)が店番をする古本屋を訪れて時間をつぶすこともしばしば。でも、同じ学校に通うみらいとは、一緒に通学したり、放課後に千花と、同じくクラスメイトで女子に人気のある直樹(碓井将大)を交えた4人でプリクラを撮りに行ったりと、仲良く過ごしている。ふたりだけでの夕食のとき「家族みたいなのです」と笑うみらい。
夏のある日、悠也たちは、担任教師・秋村(前田亜季)の運転する車で海へと遊びに出かけた。楽しい1日を送った帰り道、秋村は悠也だけに告げる。魔法の使えなくなった元“魔法少女”のことを、みんなだんだん忘れていくのだと。「残された時間を大切にしなさい」。秋村の言葉を悠也は噛みしめる。
やがて移り変わる季節。直樹が悠也に明かした気持ち。それをきっかけに悠也自身が気づいていく想い。そんな中で、みらいはクラスメイトたちと楽しい学園生活を送っていく。友達と一緒にダンスの練習をしたり、教室で起こった事件を解決したり。悠也や直樹、千花たちはみらいのことを優しく見守っていくのだったが……。
過ぎ去っていく時間の中で、消えてしまうもの。そのとき、少年少女たちは……。
魔法少女を忘れない
監督:堀禎一
出演:高橋龍輝 谷内里早 森田涼花 碓井将大 前田亜季 ほか
2011年4月23日(土)より池袋テアトルダイヤにてロードショー
2011年/カラー/95分
ある日、高校生の悠也のところに突然やってきた“妹”のみらいは、元“魔法少女”。友人たちと楽しい日々を過ごす悠也とみらいだったが、元“魔法少女”は、みんなから忘れられていく運命だった――。しなな泰之の同名ライトノベルを原作に、誰もが感じたことのあるだろう青春期の切なさを描いた異色のファンタジー。それが『魔法少女を忘れない』だ。
主人公の悠也を演じるのは、若手俳優集団D-BOYSのメンバーで、ミュージカル「テニスの王子様」で越前リョーマを演じた高橋龍輝。映画初主演となる本作では、妹の存在に揺れ動く少年の心理を誠実に表現している。
みらい役には、ファッション誌「ピチレモン」モデルを経て、実写版『火垂るの墓』や『少女戦士伝シオン』などで女優として活躍する谷内里早。イノセンスな空気を漂わせ、元“魔法少女”という特異な役柄を見事に体現してみせた。
悠也のクラスメイトにはアイドリング!!!のメンバーである森田涼花と「炎神戦隊ゴーオンジャー」の碓井将大、担任教師に『バトルロワイアル』の前田亜季。さらにヒーロー俳優として知られるベテランの伴大介が特別出演している。
また、エンディング主題歌「キミといた証」は現役女子高生・川上ジュリアがボーカルのJURIAN BEAT CRISISが担当。ティーンエイジャーのリアルな気持ちを伝える曲は映画の内容とオーバーラップする。
監督は『妄想少女オタク系』『憐 Ren』など、若手キャストを起用した作品に定評のある堀禎一。『憐 Ren』に続き「忘れられること」を題材にした本作では、少年期の楽しさや喜び、そしてそれと表裏一体となった喪失感や痛みをリリカルにスクリーンへと封じ込め、異色の青春映画を完成させた。
- 北岡悠也:高橋龍輝
- 北岡みらい:谷内里早
- 佐々木千花:森田涼花
- 小田直樹:碓井将大
- 秋村希美:前田亜季
- 佐々木淳:伴大介(特別出演)
- 監督:堀禎一
- 原作:しなな泰之(集英社スーパーダッシュ文庫)
- 脚本:中野太/ますもとたくや
- 企画:井戸剛
- 撮影:橋本彩子
- 照明:山本浩資
- 録音:竹井徹
- 編集:岡本浩明
- スチール:山崎伸康
- 音楽:伊藤幸毅
- 主題歌:JURIAN BEAT CRISIS「キミといた証」
- 製作:「魔法少女を忘れない」パートナーズ(テレビ西日本/イーネット・フロンティア/エスト/ぺドラム)
- 配給・宣伝:テレビ西日本/SPOTTED PRODUCTIONS