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作品スチール

飯と乙女

監督:栗村実
出演:佐久間麻由 田中里枝 岡村多加江 上村聡 岸建太朗 菊池透 増本庄一郎 ほか

2011年6月18日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開

2010年/カラー/HD/75分

イントロダクション

作品スチール

 「食べること」は、人間が生きていく上で基本となることだ。だが、ときとして「食べること」は苦しみをも生むことになる。『食と乙女』は、現代の東京を舞台に「食」にまつわる人間模様が交錯していく群像劇だ。
 登場するのは、人に料理を作ることを生きがいとする女と人前で決して食べ物を口にしない男、過食と嘔吐を繰り返す女とその同棲相手、妻子を食べさせるのに必死の会社社長とその妻……。渋谷にあるダイニングバーに集まる男女とその周囲の人々が、それぞれに絡みあいつつ物語を織りなしていく。
 ダイニングバーのアルバイト店員・砂織を演じるのは、『名前のない女たち』で注目を集めた佐久間麻由。過食症の美江には宝塚歌劇団出身で舞台や映像で活躍する田中里枝。美江の同棲相手・武史は、井口昇など個性派監督の作品に出演するほか監督としての顔も持つ岸建太朗。砂織の働くバーの常連・石田には監督・脚本家としても活躍する増本庄一郎。人前で食べ物を口にしない九条には劇団・遊園地再生事業団のメンバーで演出も手がける上村聡。そのほか、『食堂かたつむり』などの岡村多加江、映画・テレビ・舞台と活躍する菊池透と、実力派俳優たちが集まった。
 監督・脚本は栗村実。大学卒業後にアメリカで映画制作を学び、2005年制作の短編『スタジオワーク』が高く評価された俊英が、初の長編映画を手がけた。
 第32回モスクワ国際映画祭や第11回アジアティカ映画祭で賞を獲得、招待を受けた第61回ベルリン映画祭でも高い評価を受けた注目の作品が、いよいよ日本公開を果たす。

ストーリー

作品スチール

 多くの人々が行きかう渋谷の街。砂織(佐久間麻由)が料理を作るダイニングバーは、そのざわめきの中にある。
 バーを訪れる客のひとり・美江(田中里枝)は、仕事中からお菓子を食べてばかり。家に戻っても飲食を続けてはトイレで吐く、過食と嘔吐を繰り返していた。美江の同棲相手でろくに仕事もしていない武史(岸建太郎)は、美江になにも言うことができず、お菓子の空き袋を片付けるだけだ。
 砂織の働くバーによくやってくるが、飲むだけで食事に手をつけない男・九条(上村聡)。酔いつぶれた翌朝、自宅アパートで目を覚ますと、女が台所で朝食の支度をしてくれていた。だが、九条は女を追い出すと、用意された朝食を全部捨ててしまい、自分で作った目玉焼きとパンだけの朝食を済ます。
 美江の勤め先は、小中(菊池透)が経営する会社。とはいっても、社長の小中と美江ふたりだけの小さな事務所だ。会社の経営は苦しく、家に帰れば妻の咲枝(岡村多加江)から文句を言われる小中。そんな小中は、いつも昼食の弁当を美江から隠すようにして食べている。美江にそのことを指摘された小中は、子供のころからの癖だと答えるが……。
 九条が店で料理を食べないことを気にしていた砂織は、よく九条と一緒に店にやって来る石田(増本庄一郎)から、九条が人前で食事をするのが苦手なのだと聞かされる。九条がひとりでバーにやって来たある夜、砂織はこっそりとカツサンドを作るとお土産として九条に手渡すのだが……。
 ダイニングバーに集う人々と、その周囲の人々。それぞれの「食」の物語が綴られる。

キャスト

  • 和田砂織:佐久間麻由
  • 田端美江:田中里枝
  • 小中咲江:岡村多加江
  • 九条和成:上村聡
  • 小日向武史:岸建太朗
  • 小中久男:菊池透
  • 石田久志:増本庄一郎

スタッフ

  • 監督・脚本・編集:栗村実

  • プロデューサー:栗村実/小高勲

  • 撮影:ニホンマツアキヒコ
  • 録音:廣木邦人
  • 料理:樽味朝子
  • メイク:有賀こずえ
  • 衣裳:手塚勇

  • 劇中音楽:宮嶋みぎわ
  • テーマ曲:フランツ・シューベルト弦楽四重奏第十四番「死と乙女」ボロディン弦楽四重奏楽団

  • 製作:ナインマイルズ
  • 配給:フェイス・トゥ・フェイス

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