ムーランルージュの青春
監督:田中重幸
出演:明日待子 中村公彦 三崎千恵子 野末陳平 ラサール石井 ほか
2011年9月17日(土)より新宿K's cinemaにてロードショー
2011年/ビスタサイズ/110分
1931年(昭和6年)、新宿にオープンした劇場“ムーランルージュ新宿座”は、戦中戦後も含め20年間にわたってレビューダンスやオリジナルの風刺劇、叙情劇を上演し続け、当時の学生や知識人の人気を集めた。そして、ムーランルージュ新宿座からは多くの才能が巣立って行った。有島一郎、三崎千恵子、由利徹、森繁久弥ら出演者のほか、作家・スタッフたちも、のちに映画やテレビの世界で活躍していった。現在、広く使われている「バラエティ」という言葉を定着させたムーランルージュ新宿座は、まさに日本のエンターテイメント界の基礎を築いた劇場なのだ。映画『ムーランルージュの青春』は、その伝説の劇場の軌跡をたどる記録映画である。
『ムーランルージュの青春』の製作は、ムーランルージュ出身者で『二十四の瞳』『幕末太陽伝』などを手がけた映画美術監督・中村公彦氏の取材から始まった。中村氏は映画制作スタート直後の2010年7月にこの世を去り、一時は映画制作の続行も危ぶまれたが、田中重幸監督は糸をたぐるようにして、20人を越える関係者への取材を敢行した。
中でもこの映画の目玉といえるのが、戦前のムーランルージュで絶大な人気を誇った明日待子(あした・まちこ)の出演だ。当時10代の明日は、舞台での活躍に留まらず、レコード発売や広告ポスターへの登場など、現在のアイドルスターの先駆けとして活躍した。戦後間もなく芸能界を去り、現在90歳を越えた明日が実に数十年ぶりにメディアに姿を現わす。
貴重な証言・資料に加えて、人気タレントのラサール石井が案内役として出演し、当時のムーランルージュの演目の再現も織り交ぜるなど、エンターテイメントとして楽しく観ることのできる記録映画となっている。
- 明日待子
- 中村公彦
- 三崎千恵子
- 野末陳平
- 中島孝
- 楠トシエ
- 築地容子
- 森川時久
- 大空千尋
- 本庄慧一郎
- 藤枝利民
- 小峰葉子
- 宮里明見
- 奈良典子
- 小澤公平
- ラサール石井
- 監督:田中重幸
- 脚本構成:大隅充
- プロデューサー:千葉一彦 三輪敏雄 橋本啓一 田中知英
- 撮影:本吉修
- 照明:三枝隆之
- 美術:三輪敏雄 林隆
- 音楽:仙石幸太郎
- 製作:幻野プロダクション