高校生のナナ(永瀬麻帆)とカオル(栩原楽人)は、家がマンションの隣同士で小学校からの幼なじみ。ナナは生徒会副会長で部活でも後輩から慕われている優等生、おまけに美人。一方、カオルはいつも級友とエロ話ばかりで、趣味はSM、と言っても相手がいるわけもなく、買い集めたグッズを眺めて妄想を繰り広げるだけの毎日だ。
ある夜、カオルの家をナナが訪ねてきた。部屋に上がったナナが羽織っていたコートを脱ぐと、なんとナナの身体を包んでいたのはセクシーなボンテージ・スーツ! 実はそのボンテージはカオルが持っていたSMグッズのひとつだったが、勉強もせず妄想ばかりのカオルに業を煮やした母親(比企理恵)が、カオルの見つけられないところに隠そうと中身は内緒でナナに預けたのだった。包みの中身を見てしまったナナは興味にかられてついついボンテージを着てしまう。するとカギがかかってしまい、ナナはひとりではボンテージを脱げなくなってしまったのだ。
やむなくカオルに助けを求めてきたナナの不安げな表情に、カオルの“S心”が膨れあがっていく。カオルはカギとの交換条件で、ナナにぎこちなく“命令”をだしていく。逆らうことができず命令に従うナナは、おびえながらもこれまで体験したことのないドキドキを感じていた。
その一件があってから、学校でのナナは以前よりイキイキとしはじめた。生徒会に部活に勉強にと忙しく、趣味もないナナにとって、あの体験はいい「息抜き」になっていたのだ。そしてナナは、自分がまた「息抜き」を求めていることに気づく。
カオルとナナのふたりは、誰も知らない秘密の「息抜き」を重ねていく……。
ナナとカオル
監督:清水厚
出演:栩原楽人 永瀬麻帆 ほか
2011年3月12日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショー
2010年/カラー/ビスタサイズ/80分
生徒会副会長で優等生、美人でグラマーのナナ。エッチな妄想ばかりしているグズグズの童貞・カオル。高校生のふたりは家が隣同士の幼なじみ。そんなふたりが、ひょんなきっかけからSMプレイにハマっていく……。
ヤングアニマル・ヤングアニマル嵐で好評連載中の人気作ながら“高校生同士のSM”という内容ゆえに映像化は困難と思われていた甘詰留太のコミック『ナナとカオル』が、まさかの実写映画化を果たした。
この衝撃作で主演をつとめるのは、「仮面ライダー響鬼」「龍馬伝」などの人気ドラマに出演し『純情』で映画初主演を果たした注目の若手男優・栩原楽人(とちはら・らくと)と、ドラマ「正しい男子のつくり方」や雑誌グラビアなどで活躍し、これが映画初主演となる永瀬麻帆。これまでのイメージとは異なったエロ全開男子を演じきったカオル役の栩原、ボンテージ・ファッションや緊縛シーンも体当たりで演じたナナ役の永瀬、大胆な演技に挑みながらもピュアさを失わないふたりの魅力が、エッチだけど純情な、この作品ならではの空気を生んでいる。
監督は『ねらわれた学園』『ユメ十夜』や、テレビシリーズ「エコエコアザラク」「大魔神カノン」などの清水厚。定評のある独特の映像で、禁断の秘密で結ばれたナナとカオルの関係を描き出すとともに、現在も変わり続ける“東京”の風景をカメラにとらえ“移ろいゆくものの切なさ”を感じさせる。
また、GOMETH THE HITMANの山田稔明による音楽と主題歌が、よりいっそうの甘酸っぱさを感じさせる。
過激な描写にドキドキして、でもどこかキュンとしてしまう、青春SM映画の誕生だ。
- 杉村薫:栩原楽人
- 千草奈々:永瀬麻帆
- 矢神浩史:染谷俊之
- 睦月ユカリ:浅居円
- 川上先生:三田あいり
- 杉村和香:比企理恵
- 監督・脚本:清水厚
- 原作:甘詰留太「ナナとカオル」(白泉社「ヤングアニマル」「ヤングアニマル嵐」連載)
- 製作:大島満
- チーフ・プロデューサー:茶ノ前香
- プロデューサー:穂山賢一/太田裕輝
- 撮影:西久保弘一
- 照明:白石宏明
- 録音:功刀康久
- 美術:石毛朗/松塚隆史
- スタイリスト:セイショーコ
- ヘアメイク:上田忍
- 緊縛指導:荊子
- 助監督:松岡孝典
- 制作担当:綿貫仁
- 音楽:山田稔明
- 主題歌:山田稔明「ひそやかな魔法」
- 宣伝:太秦
- 制作協力:バイオタイド
- 製作・配給:バップ-東京思春期-