終わらない青
監督:緒方貴臣
出演:水井真希 小野孝弘 三村純子 ほか
2011年6月4日(土)よりUPLINK Xにて3週間レイトショー
2009年/カラー/66分
学校では勉強のできる優等生を演じている高校生の楓。しかし、家庭では父親からの性的な虐待に晒され、手首を切る自傷行為を繰り返していた。やがて楓の体に起きる変化は、彼女の中に命が宿ったことを示していた……。
リストカットや虐待というテーマを真正面から描き、2010年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で観客・審査員に賛否両論で迎えられた問題作『終わらない青』が一般公開を果たす。
脚本・監督、そして撮影をつとめた緒方貴臣は、音楽も使わずただ傍観者として記録するかのように、楓と家族、友人たちの日々を描いていく。そこには、フィクションにありがちなドラマティックな展開は存在しない。観客の嫌悪をもたらすような描写すら用いて、緒方監督は真摯にテーマに向きあっていく。
主人公・楓役に起用されたのは水井真希。グラビアで活躍するほか、映画『東京残酷警察』ほか西村喜廣監督作品などに出演する水井は、実際に自傷経験を持つリストカッターである。劇中のリストカットシーンは水井自身の私物を用いて撮影されており、単に「リアル」という言葉では表せないほどの衝撃をもたらす。
現在、映画に限らず、小説やドラマ、コミックなど、多くのフィクションの中で自傷行為や虐待という題材が描かれている。だが、それらの作品の中には、自傷行為や虐待をストーリーを展開させるためのアイテムとして安易に用いているものも少なくないのではないだろうか? 『終わらない青』が提示するのは、そんな消費される“記号”としてではない自傷行為や虐待なのだ。
- 水井真希
- 小野孝弘
- 三村純子
- 池崎みなみ
- 八木亜由美
- 樋口海生
- 高橋永
- もも
- 監督・脚本・撮影:緒方貴臣
- 撮影助手:杉本博史
- 録音:野田花子
- 照明:植野雅子
- 記録:中川薫
- 美術:加納恵
- 特殊造形:戸塚聡
- 特殊メイク:若松直人
- 助監督:鳴海潤/原野柊人
- 制作進行:草本雄志/野村新作
- 整音:武田慎二
- 編集:澤井祐美
- スチール:福田晃弘
- 予告編ナレーション:若松かずさ