
暴走族同士のケンカの現場に現われた藤原陸=リク(徳山秀典)。リクはたったひとりだけで、大勢の暴走族を素手で叩きのめす。ケンカで無敵のリクは、暴走族グループ・風神の助っ人として金で雇われ、その日暮らしの毎日を送っていた。
ある夜、いつものように風神に呼び出されたリクは、偶然ひとりの青年と出会う。ある事情でプロボクシングの道を断念した棚夫木克海(佐藤祐基)だった。風神のメンバーの相手をする棚夫木の鋭い動きに興味を惹かれたリクは、棚夫木にケンカをふっかけるが、リクの繰り出す拳はすべてかわされ、逆に棚夫木のたった一発のパンチでダウンしてしまう。
おさまらないリクは、棚夫木の着ていたジャージの文字を頼りに棚夫木の所属する西田ボクシングジムを訪ねた。棚夫木はジムにおらず、代わってリクの相手をしたのは現役プロボクサーのメガトン山本(渋川清彦)。リクは山本に一発の拳を当てることもできず、ヘトヘトになりジムをあとにする。そのとき山本は、リクが秘めるボクシングの素質を見抜いていた。
棚夫木に負けたことがきっかけとなり風神との関係が悪化し、リクはこれまでの居場所を失う。だが、リクは棚夫木や山本の姿からボクシングというスポーツの奥深さを知り、ボクシングの道に進むことを決意する。
山本の紹介で運送会社で働きながら、西田ジムで練習に励むリク。山本や、保育士を目指す千尋(平愛梨)、運送会社の社長(梅沢富美男)、ジム仲間の宮本(古川雄大)たち、あたたかくリクに接する人々と過ごす中で、他人を寄せつけようとしなかったリクも少しずつ変わっていく。
いくつもの壁がリクの進む道には待っている。しかしリクは、くじけることなく仲間たちとともに走り続ける――。