
都会の中に潜む心霊スポットを舞台にしたホラーシリーズ「都市霊伝説」。実際に怪奇現象も起こるという廃工場でロケをおこない話題となった『都市霊伝説 心霊工場』に続く待望のシリーズ第2弾が登場する。廃校になった小学校で卒業生たちが少女の怨念に襲われる『都市霊伝説 幽子』だ。
野島兼と前田美花、日野泉たち、元6年1組の同級生10人は、元・担任教師の自殺をきっかけに、廃校になった母校を訪ねた。ある目的のために校内を探索する彼らの周りで、奇妙な現象が起こりだす。クラスメイト“夕子”の記憶とともに……。
メインキャストには期待の若手俳優が集まった。主人公の兼には、ミュージカル「テニスの王子様」で脚光を浴び『Pure〜 ピュア〜』『クレイジズム』など劇場用映画の主演が続く馬場良馬。美花役には、国民的美少女コンテスト出身で、グラビアで活躍するほかドラマ「美丘−君がいた日々−」や映画『心の絆〜この海からふたたび〜』などに出演する中村静香。泉役には、実際に霊感を持つ“スピリチュアルアイドル”であり『おやすみアンモナイト』など女優としての活動も活発な疋田紗也。
シリーズ第1弾『心霊工場』に続いて監督をつとめたのは小沼雄一。『童貞放浪記』『nude』などの話題作を手がけ、人間描写に定評のある小沼監督が、本作でも霊の恐怖だけでなく人間の心が生む怖さを描き出している。
撮影は前作同様、実際の廃校でのロケを敢行。その荒れた光景は画面越しに“本物”の迫力を伝えてくる。また、ホラー映画ではスタンダードといえる夜の闇ではなく、明るい中で次々と怪奇現象が起こるという演出にも注目だ。
児童たちのさまざまな想いの染みこんだ校舎で起こる怪異……。いま、都市霊伝説の新章が幕を開ける。

花が手向けられ火葬場へと向かう棺。それを見送る人々の中に、野島兼(馬場良馬)の姿があった。自殺した本橋響子(大野ひとみ)が小学校教師をしていたころの教え子だった兼は、響子の夫・政男(小磯勝弥)から、響子が遺した手紙を渡される。封筒に収められたその手紙には「鏡の裏」とだけ書いてあった。
その数日後、兼と、前田美花(中村静香)、日野泉(疋田紗也)たち、本橋先生が担任をしていた6年1組のクラスメイトだった10人の若者たちが久々に集まった。本橋先生の葬儀のあとで兼がひとりひとりに声をかけたのだ。車2台に分乗した10人は、廃校となった母校の小学校を目指す。ある者はまるで遠足に行くかのようにはしゃぎながら、ある者は黙り込みなにかに想いを馳せながら。そして誰からともなく、ここにはいないひとりのクラスメイトの名前を口にする。その名は「夕子」。
学校に着いた10人は、プールサイドに花と線香を供える。ゴミの浮かぶ濁った水に向かって手を合わせる一同の中に、プールと夕子にかかわるあの日の記憶が蘇っていた……。
鍵のかかっていた校舎へと入り込んだ一同は、兼の指示のもと、本橋先生が残した言葉を頼りに学校中の「鏡の裏」を調べはじめる。そこに隠されているはずの“あるもの”を求めて。
やがて、校舎を歩き回る若者たち奇妙な現象が襲いはじめる。鏡についた小さな手形、誰もいないはずなのに鍵のかかったトイレ。そして美花の様子がおかしくなり……。
たとえ忘れようとしても、消すことのできないものがある。廃校に閉ざされた怨念が、いま若者たちの前に現われる……。