バイク屋で働く青年・健(新井浩文)。彼には、ある“組織”の一員としての顔もあった。組織の男・アキラ(村上淳)は、組織を抜けようとしている健を牽制するような態度を見せ、バイク屋の店主・陽子(風吹ジュン)は、健を心配げに見守っていた。
そして刑事の高山(泉谷しげる)が健のもとを訪ねてくる。健の父親・吾郎(永瀬正敏)は、かつて刑事であり、高山の先輩だった。刑事を辞めた吾郎は、10年前に謎の死を遂げていた――。
健は、父との記憶が残る山小屋をたびたび訪れていた。健の中に蘇る父と過ごした幼いころの日々。さらに健は、父が自分に残したメッセージを見つけ出す。
ある日、バイク屋に火のついた爆弾を持った少年が現れた。間一髪、爆発は免れ、健は少年を取り押さえる。少年の名は剛(新居延遼明)。健は気づいていなかったが、以前に健と偶然に出会っていた高校生だった。健は、行き場もない剛の姿に過去の自分を重ねていた――。
やがて、健はある決意を胸に、剛を連れてバイクを走らせる。
陽子や、健を昔から知る靴磨きのおっちゃん(田口トモロヲ)は健の身を案ずる。そして、アキラたち組織の人間が動きはじめていた。
あの山小屋で男たちの運命は交錯していく。森の中で響く銃声。その果てに健が知るものは――。
赤い季節
監督:能野哲彦
出演:新井浩文 村上淳 新居延遼明(爆弾ジョニー) ほか
2012年10月13日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国ロードショー
2012年/カラー/ビスタサイズ/110分
2003年に解散したTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTや、Rosso、The Birthdayのフロントマンとして、常に刺激的な音楽を送り出し続けるミュージシャン・チバユウスケ。彼のソロプロジェクトであるSNAKE ON THE BEACHの楽曲から1本の映画が生まれた。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTにデビュー時から関わり、ドキュメンタリー映画『ミシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE”』で企画をつとめた熊野哲彦の初監督作となる『赤い季節』だ。
“組織”に属して危険な仕事をしながらバイク屋で働く青年・健。彼が組織を抜けようとしたとき、世界が動き出す。孤独な少年・剛。亡き父の記憶。バイクで走り出した健がたどりつく先にあるものは?
健を演じるのは、多くの作品に出演し、いまや日本映画界に欠かせない存在と言える新井浩文。スクリーンデビューから10周年を迎えた彼にとって『赤い季節』は5年ぶりの単独主演作という記念すべき作品となった。
そして組織の男・アキラにはやはり数多くの作品で存在感を発揮する村上淳。健の前に現れる少年・剛にはバンド・爆弾ジョニーのボーカル&ギターで、熊野監督の抜擢により俳優デビューを飾る新居延遼明(にのぶ・りょうめい)。さらに田口トモロヲ、永瀬正敏、泉谷しげると、主演の新井をはじめ、危険な香りを漂わす男たちが集まった。その男たちを見つめるバイク店主・陽子を風吹ジュンが演じている。
音楽はもちろんチバユウスケがSNAKE ON THE BEACHとして担当。チバは中村達也、イマイアキノブというメンバーでこの映画のための限定バンド・THE GOLDEN WET FINGERSを結成し、劇中で演奏シーンも披露している。
- 新井浩文
- 村上淳
- 新居延遼明(爆弾ジョニー)
- 田口トモロヲ
- 中村達也
- チバユウスケ
- イマイアキノブ
- 永瀬正敏(友情出演)
- 泉谷しげる
- 風吹ジュン
- 監督・脚本:能野哲彦
- 製作:鳥羽乾二郎/藤倉尚/門池三則
- 企画:ベイス/祭
- プロデューサー:西村信次郎/千葉広二
- アソシエイトプロデューサー:西尾勇哉/瀬戸垣内潔
- 撮影:岩神拓郎
- 照明:前田淳
- 録音:久連石由文
- 美術:ENZO
- 衣装:伊賀大介
- ヘアメイク:徳田芳昌
- 編集:茶圓一郎
- 装飾:渡辺大智/大和昌樹
- 音響効果:北田雅也
- 音楽監修:福本良一
- 監督補:番場秀一
- 共同脚本・助監督:久保田博紀
- 制作担当:須永裕之
- 音楽:SNAKE ON THE BEACH
- 製作:日活/ユニバーサルミュージック/バッド・ミュージック・グループ音楽出版/ベイス
- 制作プロダクション:祭
- 制作協力:ベイス
- 配給:日活