シネマ☆インパクト
監督:大森立嗣/瀬々敬久/鈴木卓爾/深作健太/山本政志
2012年9月1日(土)より14日(金)までオーディトリウム渋谷にて上映(5作品を3プログラムで上映)
2012年|『2.11』29分/『この森を通り抜ければ』50分/『ポッポー町の人々』86分/『胸が痛い』40分/『アルクニ物語』35分
「シネマ☆インパクト」とは、『ロビンソンの庭』『JUNK FOOD』『Three☆Points』など、意欲的な活動を続ける映画監督・山本政志がプロデュースする実践的映画塾だ。5人の気鋭の監督たちが、この映画塾で受講者であるスタッフ・キャストと刺激を与えあいながら作り上げた5本の作品が劇場公開される。
今回上映される5本を撮ったのは、大森立嗣、瀬々敬久、鈴木卓爾、深作健太、そして山本政志の5人の監督。
大森立嗣の『2.11』は、閉塞感の中ではじけていく暴力を描いた、ザラついた感触を持つ作品だ。鈴木卓爾の『ポッポー町の人々』は、閉ざされた架空の町を舞台にした物語。瀬々敬久の『この森を通り抜ければ』は、原発事故による放射能の脅威にさらされた町で繰り広げられる群像劇。深作健太の『胸が痛い』は“どうしようもない”男に尽くしてしまう“どうしようもない”女とその家族の物語。山本政志の『アルクニ物語』は、災害によって密室に閉じこめられた人々を描いたブラックでシニカルな寓話だ。
29分の『2.11』から86分の『ポッポー町の人々』まで、5本の作品は上映時間も内容も様々だ。あるロケ場所を登場させる以外は一切の決め事なしに、5人の監督は作品作りに臨んだ。しかし、5本の作品には共通する空気が確実に感じられる。その空気は2012年現在に5人の監督と映画作りに携わったキャスト・スタッフが感じている空気なのかもしれない。
5人の監督に加え、第一線で活躍する経験豊富なスタッフや、インディーズで注目される監督陣がスタッフとして参加。日本映画界の可能性を感じさせる作品群となっている。今後も続く「シネマ☆インパクト」の第1期5作品が、その熱を放出する。
「2.11」
人々が行進する街。
武器を持った集団に占拠されたビル。
響く輪唱。
その中で人々は……。
「この森を通り抜ければ」
原子力発電所で起きた大規模な事故。その影響は東京にも達していた。
学校は閉校し、東京から脱出する人々も。
目に見えない恐怖にさらされた街で繰り広げられる、数組の男女の物語。
「ポッポー町の人々」
2011年3月11日。震災による帰宅難民は学校へと避難した。
そして路面電車はデンシャムシとなり、人々は町から出ることができなくなってしまう。
そして1年が経った、2012年の3月10日の出来事。
「胸が痛い」
怠惰な男と、前夫の娘と、3人で暮らす女。
女は男に暴力を受けながらも、男に尽くし続ける。
風俗で金を稼ぐ女は、やがて……。
「アルクニ物語」
災害が街を襲い、ある学校に備蓄された食料や水を求めて、学生や関係者がやってくる。
そこに再び起こった災害によって、8人が室内に閉じこめられた。
日光も届かない室内。そこで人々は生き延びていく……。