コラボ・モンスターズ!!
監督:西山洋市/古澤健/高橋洋
出演:宮田亜紀 鈴尾啓太/石川貴雄 小島可奈子/松本若菜 中原翔子 津田寛治 ほか
2012年5月12日(土)より25日(金)までオーディトリウム渋谷にてレイトショー
2011年/カラー/HDV/101分(『kasanegafuti』27分|『love machine』27分|『旧支配者のキャロル』47分)
『INAZUMA 稲妻』の西山洋市、『making of LOVE』『アベックパンチ』の古澤健、『リング』シリーズ(脚本)『恐怖』の高橋洋。商業映画の世界で活躍を続け、また映画美学校の講師として後進の指導にもあたるプロたちが、次代の作り手となるアマチュアたちとともに作品を作りあげるという企画、それが『コラボ・モンスターズ!!』だ。
『コラボ・モンスターズ!!』は3本の中編から構成されている。西山洋市がメガホンをとったのは『kasanegafuti』。怪談噺「真景 累ヶ淵」をもとに、舞台を現代へと置き換えて描かれるのは監督自身の言葉によれば「髷を着けない時代劇」である。
古澤健監督作品は『lovema chine』。本能に従い女性を追いかける男を主人公にしたコメディは「下心」にあふれた映画となっている。
そして高橋洋が監督・脚本をつとめたのは『旧支配者のキャロル』。実在の映画学校を想起させるある映画学校の卒業制作をめぐって繰り広げられる人間ドラマは、映画を撮ることの覚悟を問うかのようだ。
撮影の芦沢明子(『kasanegafuti』)や録音の臼井勝ら、映画界の第一線で活躍するスタッフも参加。キャストにも『先生を流産させる会』の宮田亜紀、『泪壺』『アベックパンチ』の小島可奈子、「仮面ライダー電王」の松本若菜、高橋洋作品常連の中原翔子、幅広い作品に出演する津田寛治と、経験豊富な実力派たちが顔を揃えている。
これまでにないコンセプトによるコラボレーションが生んだのは、既存の商業映画や自主映画というカテゴライズに当てはまらない「怪物」たちだ。いま、日本映画界に「怪物」が放たれる。
kasanegafuti
同居中の恋人・豊(とよ:宮田亜紀)との結婚を考えている真(鈴尾啓太)。しかし、豊は結婚の話を父親には伝えておらず、結婚の話となると様子がおかしくなってしまう。そして豊の妹・園と会った真は、姉妹に父親はいないことを聞かされる。豊はたびたび父親に会いにいくといって出かけている。豊が会っている相手は誰なのか? ある日「父親に会いに」いった豊は、顔に大きな腫れ物を作って戻ってきた……。
love machine
子供のころからひらすら女性を追いかけ続けている男・佐伯(石川貴雄)。気に入った女性と付き合うためならどんなひどい目に遭うことも厭わない佐伯は、周囲を振り回しながら次々と美しい女性と付き合っていく。親友の内藤(古澤健)に「本能がそうさせているんだ」と告げる佐伯。内藤の妻・陽子(小島可奈子)は、佐伯が内藤に悪い影響を与えると心配しているのだが、佐伯は陽子のことまで口説こうとする。そして佐伯の目の前で陽子を思わぬ事態が襲う……。
旧支配者のキャロル
みゆき(松本若菜)はある映画学校に入学し、憧れであった女優・早川ナオミ(中原翔子)の講義を受けるようになる。厳しいナオミの授業についていくため、みゆきは仕事も辞めて映画に打ち込んでいく。やがて卒業の時期となり、みゆきは卒業制作の監督に選ばれた。みゆきが書いた脚本のタイトルは『旧支配者のキャロル』。みゆきはナオミに出演を依頼し、ナオミはそれを承諾。ナオミの指名により、共演にはみゆきとともに学んできた村井(津田寛治)が選ばれた。そして撮影が始まり、みゆきはひたすらフィルムを回し、役者を追い込んでいく……。