ヴァイオリニストの守村悠季(高崎翔太)がコンサートマスターをつとめる富士見市民交響楽団=フジミは、音楽を趣味として楽しみたい人たちが集まったアマチュアの交響楽団。およそ世間の“交響楽団”のイメージとはかけ離れた交響楽団だ。
これまで常任の指揮者がいなかったフジミに、突然、若手指揮者の桐ノ院圭(新井裕介)が常任指揮者としてやってきた。長身で美形、芸大出身で留学経験を持ち、有名オーケストラ・M響のサブ指揮者でもある圭はフジミにはもったいないほどの存在だが、その高飛車な態度に悠季は反発を覚える。
就任初日から楽団員に高度な要求をする圭の指導のやり方に、悠季は「練習についていけなくなる人が出るのでは?」と心配するが、フルート奏者の川島奈津子(岩田さゆり)は、圭にフジミを預けてもいいのでは、と言う。事実、圭の指導によってフジミの演奏は着実に向上しはじめる。
ある日の練習のあと、悠季は奈津子が圭に惹かれていることに気づいてしまう。かねてからひそかに奈津子に想いを寄せていた悠季は大ショック。天才指揮者の圭と、高校の臨時音楽教師で凡才の自分。自分の不甲斐なさを感じて涙する悠季。
奈津子の件もあって、悠季は楽団の練習にも身が入らない。注意してきた圭と口論になり、ついに悠季は練習場を飛び出してしまう。悠季がフジミを辞めるつもりであることを察した圭は悠季を追いかけるのだが――。
M響の事務局長の意向に逆らってまでフジミでタクトを振ることを選んだ圭の真意はどこに? 悠季と圭の奏でる切ない恋愛模様が、いま始まる。
富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター
監督:金田敬
出演:高崎翔太 新井裕介 ほか
2012年3月3日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムにてレイトショー
2012年/カラー/ビスタ/ステレオ/83分
アマチュア交響楽団でコンサートマスターをつとめる内気なヴァイオリニストと、ある日突然楽団にやってきた天才指揮者。ふたりの間に生まれる想いは――。シリーズ累計発行部数400万部を越える人気ボーイズラブ小説「富士見二丁目交響楽団シリーズ」が、待望の実写映画化を果たす。原作シリーズの第1作を映像化した『寒冷前線コンダクター』だ。
ヴァイオリニストの守村悠季と指揮者の桐ノ院圭、ふたりの主人公を演じるのは、ミュージカル「テニスの王子様」で共演経験を持つふたりだ。悠季役は高崎翔太。圭との関係に戸惑う青年の葛藤を巧みに表現している。圭役は新井裕介。クールで高飛車な一方で弱い一面も持つ人物を繊細に演じてみせた。ふたりのコンビネーションは、新たな名コンビの誕生を予感させる。
そして、悠季と圭の関係に大きな影響を与えるヒロイン・川島奈津子には岩田さゆり。また、舞台を中心に活動する林明寛、映画主演が続きヒーロー番組にも出演する馬場良馬と「テニスの王子様」出演経験を持つ若手キャストが共演している。そして、木下ほうか、宮川一朗太、徳井優、国広富之と実力派俳優が脇を固めるのに加え、クラシック音楽が題材の作品にふさわしく、多彩な活動で注目されるヴァイオリニストのNAOTOがゲスト出演している。
監督は幅広い作品を手がけ、『愛の言霊』シリーズや『純情』でボーイズラブ作品にも定評のある金田敬。本作でも情感あふれる演出で登場人物の織りなす心模様をスクリーンに綴っていく。
作品を彩るのは、誰もが耳にしたことがあるだろうクラシック音楽の数々。また、MOKUによる主題歌も印象に残る。
振りおろされた運命のタクトは悠季と圭をどこに導くのか? ふたりの奏でる物語が、いま幕を開ける。
- 守村悠季:高崎翔太
- 桐ノ院圭:新井裕介
- 川島奈津子:岩田さゆり
- 五十嵐健人:林明寛
- 警官:馬場良馬
- NAOTO(ゲスト出演)
- 市山和夫:木下ほうか
- 大森一:宮川一朗太
- 石田国光:徳井優
- 高田龍之介:国広富之
- 監督:金田敬
- 原作:秋月こお(角川ルビー文庫刊)
- 脚本:板谷里乃/箱田森介
- 製作:山口敏功/竹村淳子
- 製作・プロデューサー:三木和史
- プロデューサー:梅橋美香/森一也
- 撮影:志賀葉一
- 録音:中村雅光
- 美術:山下修侍
- 衣裳:手塚勇
- ヘアメイク:大久保恵美子
- 編集:和田多加
- 音響効果:橋本正明
- 助監督:佐藤吏
- 製作担当:塚本敬
- 音楽:MOKU
- 製作:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント/ビデオプランニング/ビデオフォーカス
- 製作・配給:ビデオプランニング
- 宣伝:フリーマン・オフィス