
教師の鵜川勉(三浦誠己)は、ある日、勤務先の学校に弁護士・稲村(長宗我部陽子)の訪問を受けた。稲村弁護士は、ひとりの女性の名を鵜川に告げる。6年前になにがあったのか知りたいという稲村の言葉に、鵜川は、自身の世界を大きく変えたその女性との出会いを振り返る――。
6年前の夏。交際相手である同僚の笠松三千代(赤澤ムック)と買い物に出かけた鵜川は、偶然に看護師の遠沢メイ(笹峯愛)と出会った。三千代とメイは高校時代の部活で先輩後輩だったというが、三千代はメイと別れたあと「昔から嫌いだった」と躊躇いもなく口にし、不快感を露わにするのだった。
その後、ちょっとしたきっかけから三千代との間にわだかまりができてしまった鵜川はメイと再会、ふたりは三千代に隠れて一緒に酒を飲んだり映画を観にいったりと、次第に親しさを増していく。
やがて鵜川はメイと体の関係を持ち、結婚まで考えていた三千代と別れることを選んだ。そしてメイとの交際を続けていく鵜川だったが、ある日メイから「会わないほうがいい」と告げられる。かつての恋人が再びメイの前に現われ、もう1度やり直したいと迫っているというのだ。
メイの元恋人・真山(朴昭熙)は、鵜川の勤める学校にまでやって来た。粗暴な態度の真山によって、鵜川とメイの生活は危機に瀕する。それでも別れることはできない鵜川とメイ。しかし真山から逃げることもできない――。
行き場もなくただ焦燥感だけが増していく中、メイはある決意を固めていた――。