長良川ド根性
監督:阿武野勝彦/片本剛志
2012年11月10日(土)よりポレポレ東中野にてロードショー ほか全国順次公開
2012年/カラー/HD/16:9/80分
日本を代表する清流として知られる長良川。その環境は1995年に本格運用が開始された長良川河口堰によって大きく変化した。『長良川ド根性』は、長良川で漁業に携わる人たちの姿から「長良川河口堰がなにをもたらしたのか」をたどったドキュメンタリーだ。ドキュメンタリーを劇場公開するという東海テレビ放送の意欲的な試みの第4弾となる作品である。
『長良川ド根性』の「主人公」となるのは、三重県桑名市・赤須賀漁協の秋田清音(あきた・すずね)組合長だ。長良川河口に位置する赤須賀では、長い間ハマグリ・シジミ漁がおこなわれており、誰もが知る「その手は桑名の焼き蛤」の元ともなっている。かつて、高度成長期に長良川河口堰の計画が持ち上がった際、若き日の秋田組合長たち赤須賀の漁師はハマグリ・シジミの全滅を危惧し、河口堰建設に強く反対した。そのとき、世間は赤須賀の漁師たちにどんな目を向けたのか? やがて河口堰の建設が始まってから、河口堰を巡る状況はどのように変化していったのか? そして、河口堰が完成し、運用を始めた現在、長良川ではなにが起きているのか? カメラは映し出していく。
監督は東海テレビの阿武野勝彦と片本武志。これまでも東海テレビのドキュメンタリー作品に参加してきた女優の宮本信子(ナレーション)、サックス奏者の本多俊之(音楽)が、本作にも参加している。
『長良川ド根性』が示すのは、長良川で生活の糧を得る人々の視点である。そこには、単に“環境破壊/保護”といった観点では推し量れない現実がある。「うちの漁業が存続していくためなら悪魔とでも手を握るわい」。秋田組合長のこの言葉に込められた想いを、この作品から感じてほしい。
- 監督:阿武野勝彦/片本武志
- プロデューサー:阿武野勝彦
- アソシエイトプロデューサー:安田俊之
- 撮影:田中聖介
- 音声:小原丈典
- 水中撮影:岩井彰彦/神辺康弘/森恒次郎
- 効果:柴田勇也
- TK:須田麻記子
- CG:多田基朗
- 題字:山本史鳳
- 編集:奥田繁
- 音楽プロデューサー:岡田こずえ
- 音楽:本多俊之
- ナレーション:宮本信子
- 協力:長良川市民学習会/長良川水系・水を守る会/桑名市博物館
- 配給:東海テレビ放送
- 配給協力:東風