
不慮の事故により永い眠りについた6歳のモリオ。彼の友人・ミキヒコたちが18歳になったとき、モリオは目覚めた。体は成長しても心は6歳のままのモリオと、大人になることに戸惑うミキヒコ。12年ぶりに再会した友人たちは――。
マンガ家・やまだないとが1992年に発表した『王様とボク』が、いま注目の若手俳優たちの豪華共演によって実写映画化を果たした。
モリオ役で初の映画主演をつとめるのは「仮面ライダーW」フィリップ役で幅広い層の支持を集めた菅田将暉。本作ではあどけなさすら感じさせる表情を見せ、6歳の心を持ったままの青年という難しい役を見事に演じてみせた。
そしてモリオの親友・ミキヒコには『ツナグ』『今日、恋をはじめます』と主演作が続く松坂桃李。18歳を迎えた青年の焦燥感や不安を巧みに表現している。
ミキヒコの恋人・キエには『ヒミズ』で注目を集めた若手女優の二階堂ふみ。さらにミキヒコとモリオの友人・トモナリ役でアニメ声優にも活動の場を広げる相葉裕樹が「侍戦隊シンケンジャー」に続き松坂と共演を果たす。
監督は『ブタがいた教室』『猿ロック』『極道めし』など幅広いジャンルを手がける前田哲。『王様とボク』は、10年前に原作と出会って以来、映画化を念願していた企画だったという。映画化実現にあたり、前田監督は原作者・やまだないととともに脚本を執筆、「現在」作る映画としてのメッセージを込め、物語に原作とは違った新たなラストを与えている。
大人の道程で出会う痛みと切なさを伝える作品として完成した『王様とボク』。この映画を「いま」を生きる若者たちへ。

18歳の誕生日を迎えたミキヒコ(松坂桃李)。
ミキヒコの誕生日を盛大なパーティで祝う、恋人のキエ(二階堂ふみ)と友人のトモナリ(相葉裕樹)。
そしてミキヒコの胸に浮かびあがる、かつての親友・モリオ。
モリオは、子供のころいつもミキヒコとトモナリと一緒にいた。だけどモリオは6歳のときに事故に遭い、それからずっと眠り続けている。
モリオへの想いに、ミキヒコとキエ、トモナリは、それぞれに心を揺らしていく。そんなミキヒコたちを見守る、トモナリの母・景子(松田美由紀)。
ある日、テレビが12年ぶりに眠りから覚めた患者のニュースを伝える。病院に駆けつけたミキヒコとキエは、18歳になったモリオ(菅田将暉)と出会った。
体は18歳だが心は6歳の子供のまま、世界への興味を全身で表わすモリオ。
一方ミキヒコは「大人になる」ことの意味を考えていた。
6歳の子供のときに考えた「大人」。いま目の前のすぐそばにある「大人」。子供のころは、自分が王様になることも想像できていた。
子供のままの心を持ったモリオの姿に、ミキヒコの中に生まれる気持ちとは?