鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言
監督:山崎佑次
出演:西岡常一 石橋蓮司(ナレーター) ほか
2012年2月4日(土)より新宿ユーロスペースほかにてモーニングショー
2011年/カラー/HD/88分
法隆寺棟梁をつとめる宮大工の孫として生まれ、やがて自らも棟梁として法隆寺昭和の大修理、法輪寺三重塔再建、薬師寺金堂・西塔再建に携わった宮大工 西岡常一。飛鳥時代から伝わる寺社建築の技術と“木”を熟知した西岡は、確固たる信念をもって仕事に取り組み、その厳しい姿勢から「法隆寺の鬼」とまで呼ばれた。『鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言』は、平成7年(1995年)に病のためこの世を去った西岡が現代に遺したものをたどっていくドキュメンタリー映画である。
監督は、テレビ番組やビデオ作品を手がける山崎佑次。過去にビデオ作品「宮大工西岡常一の仕事」「西岡常一・寺社建築講座」で西岡の仕事を追ってきた山崎が、晩年の西岡が手がけた薬師寺回廊工事の模様を収めた貴重な映像を中心に、安田栄胤薬師寺長老をはじめとする西岡を知る人々へのインタビューなど、新たに撮影した映像も加えて本作を完成させた。音楽にはネーネーズのプロデュースやテレビドラマ「ちゅらさん」の音楽で知られる佐原一哉。そして幅広い役柄をこなすベテラン俳優の石橋蓮司がナレーションをつとめる。
「千年の檜には千年のいのちがあります。建てるからには建物のいのちを第一に考えなければならんわけです」。カメラに向かってそう語り、作業場で若い大工たちを指導する西岡の姿は、「鬼」の異名が意外に思えるほどに穏やかに見える。その姿こそが、本当の厳しさとはなんなのかを観る者に伝えてくれる。
日本全体が「再建」を意識しなければならない現在、我々がいま必要としている答えが、西岡の言葉に、仕事の中にあるのではないか? そう、我々がこの時代の中でどう生きるかを「鬼に訊け」。
- 西岡常一
- 西岡太郎
- 石井浩司
- 速水浩
- 安田栄胤(薬師寺長老)
- ナレーター:石橋蓮司
- 監督:山崎佑次
- 企画:小林三四郎
- プロデューサー:植草信和/朴炳陽
- 撮影:多田修平
- 編集:今岡裕之
- 録音:平口聡
- タイトル:上浦智宏
- 聞き手:青山茂(帝塚山短大名誉教授)/中山章(建築家)/山崎佑次
- 音楽:佐原一哉
- 製作:『鬼に訊け』製作委員会
- 配給:太秦
- 助成:文化芸術振興費補助金
- 後援:奈良テレビ放送株式会社/奈良新聞社
- 協力:彰国社