デザイン事務所勤務の渋谷健一(生瀬勝久)は、離婚してから無気力な日々を送っている。仕事では業績が上げられず年下の綾瀬由美(小西真奈美)にサポートしてもらうことに。家庭では、中学生の娘・美加(刈谷友衣子)とほとんど会話もない。
美加の15歳の誕生日にプレゼントとして花を用意した渋谷だったが、ある出来事のために父娘の溝はいっそう深まってしまう。娘との関係が修復できないまま、渋谷は綾瀬とともに出張の旅に出た――。
気がつくと、渋谷と綾瀬は奇妙な空間にいた。ふたりと同じように事情がわからず戸惑う人々とともに1ヶ所に集められた渋谷と綾瀬が聞かされたのは「みなさんはお亡くなりになりました」という衝撃的な言葉だった。
出張中に事故で死んでしまった渋谷と綾瀬は、ほかの死者たちとともにこの世界にやってきたのだった。この世界には、渋谷のかつての取引先の社長で半年前に病死した石田努(松方弘樹)もいた。石田の話によると、この世界には生まれ変わるための“スープ”があるという。そのスープを飲めば来世に生まれ変わるが、前世の記憶は失われてしまうのだと。
美加のことが心残りな渋谷は、記憶を失うことにためらいを感じつつも、綾瀬と石田とともにスープを飲むための旅を続ける。やがて、旅の途中で出会った矢野歩(大後寿々花)から、記憶を持ったまま生まれ変わる方法があるとの話を聞いた渋谷は、その方法を知る男・近藤一(古田新太)に会いに行く――。
渋谷が死んでから16年後の世界。女子高生の美崎瞳(広瀬アリス)は、このところ同級生の三上直行(野村周平)のことが気になっていた。そして瞳と直行のクラスに西村千秋(橋本愛)という転校生がやってきて――。
スープ 〜生まれ変わりの物語〜
監督:大塚祐吉
出演:生瀬勝久 小西真奈美 刈谷友衣子 ほか
2012年7月7日(土)より有楽町スバル座ほか全国ロードショー
2012年/カラー/シネマスコープ/119分
不慮の事故により命を落とした中年男のたったひとつの願いは、娘にもう1度会うこと。生まれ変わる方法を求めて、男は不思議な力をもった“スープ”を巡る旅に出る……。
『スープ 〜生まれ変わりの物語〜』は、人間の“生まれ変わり”をテーマにした映画だ。死者が集まる世界でのさまざまな出会いが、無気力に生きてきた主人公・渋谷の中に変化を生んでいく。そして渋谷は……。
渋谷を演じるのは生瀬勝久。数多くの映画・ドラマに出演する生瀬だが、単独での映画主演は本作が初めて。普段演じることの多いコミカルな役柄からは一転、シリアスな演技で娘への愛情をうまく表現できない男の複雑な心理を表現してみせた。
共演にも豪華なメンバーが揃った。渋谷と反発しあいつつも“スープ”を巡る旅の中で次第に気持ちを通じあわせていく綾瀬由美には小西真奈美。父親と素直に接することができない渋谷の娘・美加には期待の新星・刈谷友衣子。あの世で渋谷・綾瀬とともに旅をする石田にはベテランの松方弘樹。生まれ変わりの秘密を知る男・近藤には舞台に映像に活躍する古田新太。そのほか、あの世で渋谷が出会う人々には、池田鉄洋、堀部圭亮、大後寿々花、谷村美月。さらに、渋谷の死から16年後の世界では、野村周平、橋本愛、広瀬アリスと、いま注目の若手キャストが豪華共演。そして成長した美加を実力派・伊藤歩が演じる。
脚本・監督は『首領の一族』『暗黒街の帝王』『Girl's Life』などの大塚祐吉。実際に“生まれ変わり”の事例を取材した森田健のノンフィクションをもとに、ハートウォーミングな作品を生み出した。
若手からベテランまで、俳優陣の好演が光る、心温まる映画の誕生だ。
- 生瀬勝久
- 小西真奈美
- 刈谷友衣子
- 野村周平
- 広瀬アリス
- 橋本愛
- 大後寿々花
- 入江雅人
- 堀内敬子
- 凛華せら
- 堀部圭亮
- 池田鉄洋
- 谷村美月
- 山口紗弥加
- 伊藤歩
- 羽野晶紀
- 古田新太
- 松方弘樹
- 監督・脚本:大塚祐吉
- 原作:森田健「生まれ変わりの村」(河出書房新社)
- 製作:太代眞裕/二村慈哉/北牧裕幸/三藤守弘
- プロデューサー:三井昭彦/村瀬博之/柳田和久
- 撮影:豊田実
- 照明:川辺隆之
- 録音:飴田秀彦
- 美術:山下修侍
- 編集:米田博之
- 音楽:安部潤
- 主題歌:wacci「会いにいくよ」(Epic Records Japan)
- 宣伝:TOブックス
- 配給:東京テアトル