
デザイン事務所勤務の渋谷健一(生瀬勝久)は、離婚してから無気力な日々を送っている。仕事では業績が上げられず年下の綾瀬由美(小西真奈美)にサポートしてもらうことに。家庭では、中学生の娘・美加(刈谷友衣子)とほとんど会話もない。
美加の15歳の誕生日にプレゼントとして花を用意した渋谷だったが、ある出来事のために父娘の溝はいっそう深まってしまう。娘との関係が修復できないまま、渋谷は綾瀬とともに出張の旅に出た――。
気がつくと、渋谷と綾瀬は奇妙な空間にいた。ふたりと同じように事情がわからず戸惑う人々とともに1ヶ所に集められた渋谷と綾瀬が聞かされたのは「みなさんはお亡くなりになりました」という衝撃的な言葉だった。
出張中に事故で死んでしまった渋谷と綾瀬は、ほかの死者たちとともにこの世界にやってきたのだった。この世界には、渋谷のかつての取引先の社長で半年前に病死した石田努(松方弘樹)もいた。石田の話によると、この世界には生まれ変わるための“スープ”があるという。そのスープを飲めば来世に生まれ変わるが、前世の記憶は失われてしまうのだと。
美加のことが心残りな渋谷は、記憶を失うことにためらいを感じつつも、綾瀬と石田とともにスープを飲むための旅を続ける。やがて、旅の途中で出会った矢野歩(大後寿々花)から、記憶を持ったまま生まれ変わる方法があるとの話を聞いた渋谷は、その方法を知る男・近藤一(古田新太)に会いに行く――。
渋谷が死んでから16年後の世界。女子高生の美崎瞳(広瀬アリス)は、このところ同級生の三上直行(野村周平)のことが気になっていた。そして瞳と直行のクラスに西村千秋(橋本愛)という転校生がやってきて――。