ヒップホップクルー“SHO-GUNG”のメンバーとして世界的なラッパーを目指していたマイティ（奥野瑛太）は、夢に近づくためにSHO-GUNGを、そして故郷であるサイタマ県フクヤ市を飛び出した。それから２年、マイティは東京で“極悪鳥”というヒップホップグループの見習いメンバーとなっていた。
ひとりでＭＣバトルに出場することになったマイティは、極悪鳥のＭＣ・林道（北村昭博）から「決勝に進出したら極悪鳥のステージに立たせてやる」と言われる。意気込んでバトルに挑んだマイティは見事に決勝進出を決めるが、林道から決勝で負けるよう指示される。決勝の相手が極悪鳥がライブで共演するクルーのメンバーだったのだ。指示に従い決勝で負けたマイティは、ステージに立たしてもらうという約束もなかったことにされ、ついに怒りを抑えきれなくなって林道を激しく殴りつける――。
同棲していた彼女の一美（斉藤めぐみ）を連れて東京を逃げ出したマイティは栃木へと流れ着き、盗難車の売買や産廃処理で金を稼ぐ連中のもとで働いていた。その仕事を仕切っている等々力（永澤俊矢）たちは大規模な音楽イベントの開催を計画し、マイティもそれに関わることになった。
いまも“SHO-GUNG”を続けているイック（駒木根隆介）とトム（水澤紳吾）は、まさかマイティが関わっているとは知らずにイベントの出場者オーディションにやって来た。イックとトムはオーディションで一緒になった日光のヒップホップクルー“征夷大将軍”と意気投合。合同で“征夷大SHO-GUNG”としてイベントに出場することになった。
そしてやって来たイベントの日、“SHO-GUNG”のふたり、そしてマイティを待ち受けていたのは――。
ＳＲ サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者
監督：入江悠
出演：奥野瑛太 駒木根隆介 水澤紳吾 ほか
２０１２年４月14日(土)より渋谷シネクイントほかにて全国順次ロードショー
『ＳＲ サイタマノラッパー』がインディペンデント映画としては異例のヒットを記録し、現代の日本映画界を代表する若手監督となった入江悠。その後も続編『ＳＲ サイタマノラッパー２ 女子ラッパー☆傷だらけのライム』や、人気ロックバンドの楽曲をモチーフにした『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ！』と、音楽を題材にした若者の群像劇を送り出してきた入江監督の最新作が『ＳＲ サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』だ。
「ＳＲ」シリーズの第３作となる本作は、シリーズ１作目でヒップホップクルー“SHO-GUNG”を抜けて東京へ出て行ったマイティを中心にストーリーが展開される。ある事情からラップとは無縁な生活を送っているマイティ、そしていまも“SHO-GUNG”として活動しているイックとトム。別々に別れていたはずの道は、偶然にいま、もう１度交わろうとしていた……。
マイティには奥野瑛太、イックには駒木根隆介、トムには水澤紳吾と、SHO-GUNGメンバーには第１作からのキャストが引き続いて登場。そのほか、アメリカを拠点に活躍する映画監督・俳優で『ムカデ人間』出演で注目を集めた北村昭博や、たけし軍団のガンビーノ小林、さらにベテラン俳優の美保純、永澤俊矢と、バラエティに富んだキャストが顔を揃えている。
本作のクライマックスとなるのは、大規模な野外音楽フェスティバルでのライブシーンだ。そのフェスシーンには約２０００人のエキストラが日本全国から参加。インディペンデント映画の規模を越えたシーンが実現した。
これまでのシリーズとは異なった肌触りを持つ『ＳＲ サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』。シリーズ３部作の区切りにふさわしい、硬質な青春群像劇の誕生だ。
- マイティ：奥野瑛太
- イック：駒木根隆介
- トム：水澤紳吾
- 相澤一美：斉藤めぐみ
- 極悪鳥ＭＣ・林道：北村昭博
- 等々力辰彦：永澤俊矢
- 山下紀夫；ガンビーノ小林
- 高島紀代美：美保純
- 監督・脚本・編集：入江悠
- 撮影：三村和弘
- ＭＡ：山本タカアキ
- ラップ指導：上鈴木伯周／上鈴木崇浩
- 音楽：岩崎大整
- 制作プロダクション：アミューズ／ノライヌフィルム
- 制作協力：ダブルディー
- 「SR3」製作委員会：アミューズ／ノライヌフィルム／鈍牛倶楽部／パルコ／角川書店／SPOTTED PRODUCTIONS
- 配給：SPOTTED PRODUCTIONS