
11歳の春休み、進(林遼威)は家出をして東京に向かった。電車を乗り継いで進がやってきたのは、新宿歌舞伎町にあるホストクラブ。そこで働くホストの沖田大和(AKIRA)に向かって進が口にした言葉は「あなたの息子です」!
突然現れた進に心当たりがないと言っていた大和だったが、進の名字と母親の名前を聞くと表情が変わった。進の母親は、いまから10年以上前、大和が地元で不良をやっていたころに付きあっていた神保由紀子(ちすん)らしい。由紀子は大和の知らないうちにひとりで進を産んで、いままで育ててきたのだ……。
ホストクラブのオーナー・ジャスミン(ゴリ)の言いつけで渋々ながら進を自分の部屋に連れて帰る大和。なんとか進を追い出そうとする大和だが、しっかり者の進は散らかり放題の大和の部屋をきれいに片付け、翌朝になると朝食の用意までこなす。同僚ホストの雪夜(綾野剛)と、常連客のナナ(逢沢リナ)にも説得されて、大和と進の共同生活が始まる。
だが、その矢先に大和は後輩ホストともめ事を起こしてジャスミンにクビを言い渡されてしまう。替わりにジャスミンが紹介してくれたのは、宅配便会社のハニービーエクスプレス。ジャスミンの知り合いの所長・鬼頭(ほんこん)の指導のもと、大和は慣れない宅配便の仕事に取り組んでいく。そして、失敗しながらも懸命に仕事に励む大和の姿を見て、進も次第に大和を父親と認めはじめていた。
雪夜とナナも交えて、これまで経験したことのなかった団欒の日々を過ごしていく大和と進。だが、進の春休みは終わりに近づき、ふたりが一緒にいられる時間はあとわずかとなっていた……。