
ひとりの女性が意識不明の状態で病院へと運ばれてきた。六本木のキャバクラで働いている彼女の名前は黒澤東花(岡本あずさ)。店での名前は、ハタヤスコ。
彼女は何者かに首を絞められており、部屋には争った形跡があった。警察に通報があったが、通報したのが誰かは不明。事件性があると判断した警察は、彼女の携帯の発信履歴を遡り、7人の人物を呼び集めた。
救急治療室に入った彼女の容態が予断を許さない中、呼び出された男たちが病院の待合室に集まった。刑事の山仲(池田成志)から自分たちが“容疑者”であることを知らされ動揺する男たち。彼女の携帯のアドレスにあったのは、勤める店の番号と、履歴にあった7人の番号だけ。彼女は携帯を1台しか持っておらず、部屋にはパソコンもない。彼女が連絡をとっていたのは7人だけなのだ。横浜郊外の1DKでひとり暮らしていた彼女はの生活は一体? そして集まった男たちはみな一様に“東花”という本名よりも“ヤスコ”という名がしっくりくると言う……。
山仲は“容疑者”ひとりひとりに、ヤスコとの関わりを尋ねはじめる。ヤスコの自宅と隣の市に住む塾講師の飯島圭介(山崎一)、窃盗の前科を持つ元・寿司職人の天童純平(滝藤賢一)、エアコン工事でヤスコの家を訪れた小林大吉(仁科貴)、バツイチの不動産屋・赤城宗久(坂田聡)、ヤスコの勤務先の店員・駒形和樹(高木万平)、若きIT企業の社長・弓永聡(和田正人)、7人の中で最後にやってきた横山晶(我妻三輪子)。
彼らの話からは、それぞれ違ったヤスコの姿が浮かびあがっていく。7人は、自分の知らないヤスコを知っていく……。