現在、日本のアニメは世界から注目を集める文化となっている。その日本のアニメ制作の将来を担っていく新たな人材を育成することを目的に、2010年度から文化庁若手アニメーター育成プロジェクトがスタートした。公募により選ばれた国内のアニメ制作プロダクション4社がオリジナル企画の短編を1作品ずつ制作、完成した4本が「アニメミライ」として劇場公開されている。2013年も『アニメミライ2013』として気鋭のスタジオによる4本がスクリーンに登場する!
『ブレイブストーリー』などの“株式会社ゴンゾ”が送り出すのは『龍 -RYO-』。坂本龍馬の護衛をすることになった少年・RYOを主人公にした、新感覚の時代劇アニメだ。アニメでしか表現できない流麗なアクションは注目だ。
有限会社ゼクシズの作品は『アルヴ・レズル』。人の意識とネットワークがシームレスとなった近未来を舞台にした、壮大な物語の序章を予感させるSFストーリー。アナログの筆使いを再現したような独特のタッチのヴィジュアルが魅力的だ。
『サマーウォーズ』や今 敏作品などの株式会社マッドハウスの『デス・ビリヤード』は、洒落た短編小説のような味わいの不思議なストーリー。従来のマッドハウス作品を彷彿させ“大人のためのアニメ”の可能性を感じさせる1作に仕上がった。
2011年に設立されたばかりの株式会社トリガーによる『リトルウィッチアカデミア』は、魔女学校を舞台にしたファンタジー。コミカルでテンポよいストーリーは見どころもてんこ盛り。今後の展開を期待したくなる作品だ。
文化庁のプロジェクトから生まれた作品ではあるが、4本はいずれもエンターテイメント性たっぷりの作品だ。今後、テレビ放送やネット配信などの可能性もある作品群だが、ぜひ映画館の大きなスクリーンで鑑賞してもらいたい。
龍 -RYO-
日本が大きな変革を迎えようとしていた時代。家族を失った少年(声:悠木碧)は、黒(声:寿美菜子)たちとともに武術の稽古に励んでいた。そして少年は、坂本龍馬(声:藤原啓治)の護衛につくことになる。名前を持たない少年に、龍馬は自分の名と、お龍(茅野愛衣)の名と同じ読み方の“RYO”の名を付ける。こうして、龍馬とRYOの日々が始まった――。
アルヴ・レズル
2022年、ナノマシンを体内に摂取することで人の意識とネットワークとをシームレスに結びつける技術が開発されていた。だが、その技術により、全世界で数万に及ぶ人々の意識が肉体から失われてしまう「アーリー・ラブチャー」という事故が起こった。御影礼望(声:福山潤)の妹・詩希(声:喜多村英梨)も、その被害者のひとりであった――。
デスビリヤード
気がつくと、男(声:中村悠一)はその店にいた。店には、バーテンダー(声:前野智昭)と女(声:瀬戸麻沙美)、そして男と同じ客の老人(声:筈見純)。なんの事情もわからぬまま、男と老人は「命をかけて」ビリヤードで対決することになる。そしてゲームが進むにつれ、男はなぜ自分たちがゲームをしているのか、ある推測をしていく――。
リトルウィッチアカデミア
アッコ(声:潘けいこ)は、子供のころに見たシャイニィシャリオという魔女の魔法ショーへの憧れを抱き続け、やがて魔女学校へと入学した。だが、魔女学校での魔法の勉強は予想以上に地味で退屈。それでも級友のロッテ(声:折笠富美子)、スーシィ(声:村瀬迪与)、高飛車な優等生のダイアナ(声:日笠陽子)たちとともにアッコは魔女修行に励む。