ある日、鬼場琴音(黒谷友香)の経営するブティックに制服姿の少女・西澤サクラ(小池里奈)が駆け込んできた。そしてサクラを追って西京連合加藤組の組員たちと、加藤組組長の妻・加藤アザミ(原田夏希)が店にやって来るが、琴音は声を荒げる男たちにも臆することなく対応していく。琴音の夫は西京連合鬼場組組長。琴音もまた“極道の妻”であった。
琴音の毅然とした態度に引き上げていったアザミたちだったが、アザミは夫である組長・加藤修平(今井雅之)とともに鬼場組組事務所を訪れた。サクラの件をチャラにする代わりに鬼場組のシマを譲れという修平の言葉を、琴音の夫・鬼場満(長嶋一茂)は一蹴する。鬼場組と加藤組の間に、不穏な空気が立ちこめはじめていた。
話をつけようと単身アザミのもとを訪れた琴音は、アザミが愛した男・矢島晃司(袴田吉彦)が、かつての抗争で満に殺されていたことを知る。修平の妻となったいまでも矢島のことを想い続けるアザミは、矢島の仇である満や、その妻・琴音への復讐心を燃やしていたのだった……。
一方、琴音のはからいで亡父の残した借金から逃れることができたサクラは、琴音のもとで暮らすことになった。極道の妻ではあるが、組の世話にならず経済的に自立し、しかし夫を支え、笠井明(渡部豪太)たち若い組員をあたたかく見守る琴音との生活に、サクラは安らぎを覚えていた。
だが、鬼場組は激動の中に飲み込まれようとしていた。西京連合と対立する中国マフィア・銀竜会に対し、満は強硬路線を主張。満に目をかける会長・岸辺宗一郎(石橋蓮司)の判断により、西京連合と銀竜会の抗争が始まろうとしていた……。
極道の妻(つま)たち Neo
監督:香月秀之
出演:黒谷友香 原田夏希 石橋蓮司 大杉漣 長嶋一茂 ほか
2013年6月8日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
2013年/カラー/ビスタサイズ/ドルビー5.1ch/91分|R15+
ノンフィクション作家・家田荘子によるルポルタージュを原作とした映画『極道の妻(おんな)たち』は、1986年に第1作が公開後、20年近くにわたり15本が製作される人気シリーズとなった。そして2013年、8年ぶりとなる最新作『極道の妻(つま)たち Neo』が劇場のスクリーンに登場する。
『極道の妻(つま)たち Neo』は、従来のシリーズとは異なり、原作のタイトルどおり「妻」を「つま」と読む。改めてルーツである原作に立ち返った最新作により「極妻」の歴史の新しいページが開かれる。
主人公の鬼場琴音を演じるのは、映画やドラマ、舞台でキャリアを重ねてきた黒谷友香。芯の強さを漂わせる演技で、極道である夫や若い組員たちを支えつつ自立した女として生きる、新たな“極道の妻”像を作り出した。
そして琴音と因縁を持つもうひとりの極道の妻・加藤アザミには、連続テレビ小説「わかば」ヒロイン役で知られる原田夏希。和装に身を包み迫力あふれる演技で琴音と対照的な極道の妻を演じ、大胆な濡れ場も披露している。
さらに、物語の語り手的な役割を果たす少女・サクラにはグラビアでも活躍する小池里奈。また、琴音の夫・満役の長嶋一茂、アザミの夫・修平役の今井雅之、袴田吉彦、嶋尾康史、渡部豪太、石橋蓮司、大杉漣と、個性豊かな男性キャストがさまざまな世代の極道を迫力たっぷりに演じている。
脚本はアニメやヒーロー番組なども手がける米村正二。「借王」シリーズや『君が踊る、夏』などを手がけ、社会派作品に定評のある香月秀之がメガホンをとり、たとえ険しい道であっても夫への愛を貫く、硬派な“女の生き様”を描き出した。
- 鬼場琴音:黒谷友香
- 加藤アザミ:原田夏希
- 加藤修平:今井雅之
- 笠井明:渡部豪太
- 西澤サクラ:小池里奈
- 藤森義一:嶋尾康史
- 矢島晃司:袴田吉彦
- 岸辺宗一郎:石橋蓮司
- 金子道彦:大杉漣
- 鬼場満:長嶋一茂
- 監督:香月秀之
- 原作:家田荘子「新・極道の妻たち」(青志社刊)
- 脚本:米村正二
- 製作:間宮登良松
- 企画:日達長夫
- エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫
- プロデューサー:嶋津毅彦/矢後義和
- キャスティングプロデューサー:福岡康裕
- 撮影:朝倉義人
- 照明:杉本崇
- 録音:日比和久
- 美術:平田俊昭
- VE:今西貴充
- 編集:藤田和延(J.S.E)
- 整音:和田秀明
- 進行主任:芦田淳也
- 音楽プロデューサー:津島玄一
- 音楽:MOKU
- 制作プロダクション:東映京都撮影所
- 製作・配給:東映ビデオ株式会社