
関東地方、再開発の進んでいる町の小さな塗装会社で働く沢北健二(郭智博)。妹は世界各地を旅して回り、ときどき手紙を送ってくる。父親は離れた土地でペンションを経営。かつて家族が揃って住んでいた庭付きの一軒家はいまは健二がひとりで暮らすだけ。その家も明け渡しの期限が迫っている。期限は、7月20日。
健二の引っ越し先はまだ決まっていない。勤務先の後輩に冗談交じりで同居を提案してみたものの当然のように断られる。そんな矢先、会社の社長が突然夜逃げした。健二はこれから住む場所のあてもないまま仕事まで失ってしまった。
明け渡し期限の迫る家で、漫然とした日々を過ごす健二。そんな健二の暮らす家には、しばらく前から近所に住んでいるらしい小学生の3人組、ヤタロー(舩崎飛翼)・オッチ(本間翔)・ころ助(金田悠希)がイタズラをするようになっていた。意味なくチャイムを鳴らしたり、塀に落書きをしたり、窓にめがけて水風船を投げつけてきたり。度重なる3人組のイタズラに、健二も水をかけて応戦。3人組を撃退したものの、そのせいで余計に闘志を燃やした3人組から「はたしじょう」が送られてきた。そして迎えた決戦の日、3人組は万全の装備を整え健二の家にやって来た。だが健二も負けてはおらず、入念の仕掛けで3人組を迎え撃つ。そしてこの日から、健二を「水魔人」と呼ぶ3人組は、たびたび健二の家を訪れて遊ぶようになっていく。
健二の家の明け渡し期限はもう過ぎていた。管理物件となったはずの家にいまも留まる健二を、かつての同級生で不動産会社の社員となったのぞみ(奥田恵梨華)が訪ねてくるのだが……。
やがて健二は3人組と一緒に、庭でダンボールの恐竜を作りはじめる。夏休みの自由研究のように……。