標的の村
監督:三上智恵
2013年8月10日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー
2013年/HD/16:9/91分
沖縄本島北部にある東村・高江区。豊かな自然の中で約160人の人々が暮らす小さな村は、アメリカ軍の訓練施設に囲まれた村である。村の上空を昼夜を問わず軍用ヘリが飛び交う。まるで、村を訓練の「標的」にするように……。
『標的の村』は、沖縄のテレビ局・琉球朝日放送制作のドキュメンタリー映画である。監督の三上智恵をはじめとするスタッフは、アメリカ軍の軍事施設建設の反対運動をおこなう住民たちの姿を、住民たちに寄り添うような視点で伝えていく。
映画の中心となるのは、高江に住む安次嶺さん一家だ。自宅近くへの米軍施設新設を阻止するため、安次嶺さんは周辺の住民たちとともに抗議行動をおこなう。そのために国から訴えられることになった安次嶺さんは、なにを思うのか。
さらに映画は、新型輸送機・オスプレイ配備を巡る動きを追っていく。不明瞭な説明を続けてきた政府への不信感や、背景にある普天間基地移設問題。オスプレイは、政府に裏切られ続けてきた歴史の象徴にもなっているのだ。そしてカメラが映し出す2012年9月29日の普天間基地周辺。台風接近による風雨の中、身を投げ出してオスプレイ強硬配備を防ごうとする沖縄の人々と、人々を排除しようとする警察官たち。沖縄以外ではほとんど知られることのなかった「異常事態」がそこにある。
『標的の村』は、2012年にテレビドキュメントとして放送され大きな反響を呼んだ。全国に届けたいという作り手たちの想いから、テレビ放映版にはなかったシーンも大幅に付け加えた91分の劇場版として公開される。
オスプレイが飛ぶ空の下、まだ11歳の安次嶺家の長女は言う。「お父さんとお母さんが頑張れなくなったら、私が引き継いでいく」。まだ、なにも解決してはいない。
- 監督:三上智恵
- プロデューサー:謝花尚
- 構成:松石泉
- 撮影:寺田俊樹/QAB報道部
- 音声:木田洋
- タイトル:新垣政樹
- MA:茶畑三男
- 編集:寺田俊樹/新垣康之
- 音楽:上地正昭
- ナレーション:三上智恵
- 題字:金城実
- 制作・著作:琉球朝日放送
- 配給:東風