希望ヶ丘女子高等学校の校内に流れる校内放送の声。声の主は、3年生で放送部部長の新谷マナミ(森川葵)だ。希望ヶ丘女子高校では、文化部の晴れの舞台である芸術祭が近づいていた。マナミたち放送部は毎年恒例の朗読劇をおこなうことになっているが、まだ演目も出演者も決まっていない。
そんな中、放送部に3年生の三塚チユキ(門脇麦)が入部することになった。顧問の本西先生(寿美菜子)によると、いままで籍を置いていたバスケ部で揉めて退部したのだという。チユキはマナミと同じ3年生だが、1年留年しているため年齢はひとつ上。マナミの親友で同じ放送部員の森野アイ(近藤真彩)の話では、チユキはほかの生徒たちとあまり会話をすることもないらしい。そんなチユキがなぜ放送部に入部してきたのか? マナミとアイは不思議がる……。
チユキが初めて部活に出席した日、マナミは部長としてチユキとふたりきりで部の説明をする。ほかの生徒とはどこか違うチユキの雰囲気に惹かれていくマナミ。マナミはいつしか、校内でチユキを見かけると目で追いかけるようになっていく。そしてマナミは、芸術祭での朗読劇の演目に、チユキがいつも読んでいる太宰治の「女学生」を選んだ……。
だが、部活動に積極さの見えないチユキの態度に副部長の小田カズミ(吉倉あおい)が不満を募らせ、放送部に小さな波紋が広がる。さらに、チユキと深い関係にあった女生徒・江里口フタバ(新木優子)の存在がマナミの心を揺らす……。
チユキと過ごす何気ない時間が、マナミにとってかけがえのない記憶になっていく。そんなマナミを静かに見つめるアイ。やがてマナミはひとつの決断をくだす……。
スクールガール・コンプレックス〜放送部篇〜
監督:小沼雄一
出演:森川葵 門脇麦 ほか
2013年8月17日(土)より シネ・リーブル池袋ほかロードショー
2013年/カラー/ステレオ/96分
学校の制服に身を包んだ思春期の少女たちの、何気なく無防備な一瞬を切りとった写真集「SCHOOL GIRL COMPLEX」。男性だけでなく女性からも広く支持を集めたこの写真集が元となり、異例の「写真集の映画化」となる映像作品が誕生した。『スクールガール・コンプレックス〜放送部篇〜』だ。
舞台となるのは、芸術祭の開催を控えた夏の女子高。放送部の部長・マナミと、突然放送部に入部してきた3年生・チユキを中心に、女子高生たちのキラキラとした日々と、ちょっとほろ苦い少女同士の“恋”が描かれていく。
主人公のマナミを演じるのは、雑誌「Seventeen」専属モデルで、ドラマ・映画で女優として活躍する森川葵。チユキ役でボーイッシュな魅力を見せるのはCMで注目を集め話題作への出演も控える門脇麦。誰かと一緒にいるときのときめきや戸惑い――雑誌やCMとは異なった表情を見せる若手女優ふたりの姿には、きっと誰もが魅了されることだろう。
マナミとチユキを取り巻く女子生徒たちには『告白』などの近藤真彩、雑誌「mina」モデルとしても活躍する吉倉あおい、「獣電戦隊キョウリュウジャー」で注目を集める今野鮎莉、元SKE48の高井つき奈、映画やドラマ出演が続く新木優子と、いま期待の若手女優たちが華やかに共演。また、放送部顧問の女性教諭役で人気声優の寿美菜子が出演しているのも注目だ。
メガホンをとるのは『童貞放浪記』『結び目』など、情感あふれる人物描写に定評のある小沼雄一。少女たちの眩しく切ないひと夏を、繊細に、そして原案となった写真集の持つ“ふと見つめてしまう”ような感覚も交えて描き出した。
きっと誰もが経験している“人を好きになる”感覚。その甘酸っぱさが胸に広がる、青春ガールズ・ムービーの誕生だ。
- 新谷マナミ:森川葵
- 三塚チユキ:門脇麦
- 森野アイ:近藤真彩
- 小田カズミ:吉倉あおい
- 西野マユ:今野鮎莉
- 村口アヤネ:高井つき奈
- 江里口フタバ:新木優子
- 本西郁美:寿美菜子
- ユキヤ:長谷川朝晴
- 監督:小沼雄一
- 原案:青山裕企「スクールガール・コンプレックス」(イースト・プレス刊)
- 脚本:足立紳
- 製作:細野義朗
- プロデューサー:加藤伸崇/柴原祐一
- 撮影:相馬大輔(J.S.C.)
- 照明:佐藤浩太
- 録音:山口満大
- 衣裳:宮本まさ江
- ヘアメイク:内城千栄子
- 音響効果:渋谷圭介
- 編集:小沼雄一
- 制作担当:長谷川明
- 助監督:家次勲
- メイキング:下条岳
- スチール:北沢美樹/飯田えりか
- 音楽:宇波拓
- 主題歌:さよならポニーテール「秘密の時間」(エピックレコードジャパン)
- 制作プロダクション:ダブ
- 製作・配給・宣伝:S・D・P