日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページ作品情報一覧>作品情報:しんしんしん
作品スチール

しんしんしん

監督:眞田康平
出演:石田法嗣 我妻三輪子 ほか

2013年1月12日(土)より渋谷ユーロスペースにてロードショー

2011年/カラー/HD(REDONE 4K)/ステレオ/2.35:1/135分

イントロダクション

作品スチール

 血の繋がりのない人々が寄り添うようにして「家族」ができた。そして家を失った「家族」は、1台のトラックに乗り込んで旅に出る――。
 近年、次々と新人監督を輩出する東京藝術大学大学院映像研究科から、またひとり新たな才能が日本映画界に登場する。1984年生まれの新鋭・眞田康平の初長編作『しんしんしん』は、テキ屋の「家族」のロードムービー。日本の古い風景や、登場人物の感情を丹念に映像へと刻み込み「失われていくもの」を、情感豊かに描きだしていく。
 主人公の少年・朋之を演じるのは『カナリア』主演で強い印象を残した石田法嗣。本作でも、秘めた感情を感じさせるような確かな演技を見せている。朋之たちの「家族」に加わる少女・ユキには『恋に至る病』の主演も記憶に新しい我妻三輪子。不安定なイノセンスさを見事に体現した本作は『恋に至る病』に続く我妻の代表作と呼ぶにふさわしい作品だろう。
 そして「家族」の父親役・芳男には、映画監督としても高く評価される佐野和宏。佐野は本作撮影後に病に倒れ声を失った。『しんしんしん』は、佐野和宏の肉声が残された最後の映画にもなっている。
 そのほか、園子温監督作品やドラマなどで注目の高まる神楽坂恵、眞田監督の師である黒沢清監督作品の常連・洞口依子、パーツモデルとして活躍する坪井麻理子、眞田監督の大学院時代からの仲である奥津裕也、中村有らが共演している。
 映画のタイトル『しんしんしん』は、日本音楽史に名を残す伝説のロックバンド・はっぴいえんどの同名曲にインスパイアされたものである。「しんしんしん」は新たなアレンジにより劇中でも使われ、映像とともに深い余韻を残す。

ストーリー

作品スチール

 河原でたき火をする学生服の少年(石田法嗣)と、彼と会話をする少女(我妻三輪子)。少年の名前は朋之。彼が“親父”と呼ぶ男・芳男(佐野和宏)と、年上の裕也(奥津裕也)とともに、祭りの屋台でお好み焼きを焼くテキ屋をやっている。ひとつの家で「家族」として暮らしている彼らだが、血の繋がりはない。自分たちのことを“代用品”という朋之。
 そして、ユキと呼ばれることになった少女も「家族」の一員に加わることになる。だが、その矢先に朋之たちが暮らしていた家は突然に取り壊されることになった。残ったのはわずかな立ち退き料。
 いつも芳男が酒を呑む店の主・藍子(洞口依子)の手助けも受けて「家族」は1台のトラックに乗り、あちこちの祭りを回る巡業の旅に出ることになった。朋之たちが乗り込んだトラックの荷台には、裕也とつきあっている女性・明美(神楽坂恵)もいつの間にか忍び込んでおり、巡業の旅に加わることになる。
 最初に訪れた町で、朋之たちは日向(ひなた:坪井麻理子)という女性と知り合う。朋之たちの仕事を面白がる日向は毎日のように屋台を訪れ、朋之やユキたちと打ち解けていく。朋之たちが町を離れる日、ユキたちは日向の抱える事情を知ることになる。そして翌日、一緒に旅に出ようとする日向に、芳男は「お好み、焼けるか?」とだけ尋ね、一行に加える。
 芳男と、裕也と、朋之と、明美と、ユキと、日向。6人になった「家族」は、まるで修学旅行を楽しむかのように旅を続けていく。しかし、芳男たちのようなテキ屋の居場所はどんどん少なくなっていた。季節が移り変わっていく中、芳男に率いられて「家族」がたどりついた場所は……。

キャスト

  • 朋之:石田法嗣
  • ユキ:我妻三輪子

  • 芳男:佐野和宏
  • 裕也:奥津裕也
  • 明美:神楽坂恵
  • 日向:坪井麻里子
  • 覚:中村有
  • 藍子:洞口依子

スタッフ

  • 監督・脚本:眞田康平

  • プロデューサー : 山田彩友美

  • 撮影:西佐織
  • 録音・整音:宮崎圭祐
  • 美術:有馬佐世子
  • 編集:片寄弥生
  • ヘアメイク:橋本申二(atelier ism)/畑中嘉代子(atelier ism)
  • 助監督:松尾健太
  • 制作担当:佐藤圭一朗

  • 音楽:島松祐介/重盛康平
  • 使用楽曲:「しんしんしん」作詞:松本隆/作曲:細野晴臣/アレンジ:島松祐介

  • 製作:東京藝術大学大学院映像研究科
  • 配給・宣伝 : 諸田創
  • 宣伝協力 : 酒井慧/畠佑輔

スポンサーリンク