
吉原の女郎・お雪(西条美咲)は、自分の身を守るための行動から火事を起こし召し捕えられた。火付けの罪で死罪となってもおかしくないお雪であったが、事情を鑑みた奉行がくだしたのは流罪、すなわち島流しの刑であった。
お雪は、船に乗せられ島へと送られる。同じ船には、お雪のほかに3人の女が乗せられていた。年齢や境遇は異なるものの、いずれもお雪と同じように罪を犯して流罪を言い渡された者たちであった。
やがて島に着いたお雪たち4人は、厳しい環境の中で、自分たちの力だけで生きていくことを強いられる。流人は田畑を持つことが許されていないため、お雪たちは島民の農作業の手伝いをして、わずかな食料を得て暮らしていく。
そんな島の暮らしの中で、お雪たちは早坂憲吾(市瀬秀和)という男に出会う。憲吾も幕府に逆らった罪で島に流されてきた流人であったが、もともと武士であり、また島にはただひとりの医術に通じた人物であることから、島の人々から敬意を払われる存在であった。
苦しい境遇の中で生きるお雪に優しく接する憲吾にも心を開こうとしないお雪であったが、いつしか素直な心を覗かせるようになっていった。憲吾はお雪に、島に伝わる“赦免花”の言い伝えを聞かせる。かつて、言われのない罪でこの島に送られた僧のために島の人々が植えた花。その大きな紅い花が開くとき、罪を赦された者を迎える赦免船がやって来るという――。
お雪たちを翻弄する過酷な運命の中で絆を深めていくお雪と憲吾。だが、当人たちも想像だにしなかった出来事がふたりを待っていた。そして、島には美しい赦免花の花が咲いていた――。