
大金が飛び交う“裏レート雀荘”の世界。制服姿で雀荘に現われ、大人たち相手に荒稼ぎしていく少年が噂となっていた。表情ひとつ変えずに冷たい瞳で麻雀を打つ少年は、いつしか“氷のK”と呼ばれるようになっていた――。
“氷のK”ことケイ(前田公輝)は、並はずれた記憶力を武器に勝ち続ける。たとえイカサマを疑われ、脅されようとも動じることはない。だが、そんなケイの麻雀を“ぬるい”と断じる者がいた。ケイと同じように、裏レート麻雀の世界で生きる男・堂嶋(市瀬秀和)だった。記憶力と確率をもとに麻雀を打つケイに対し、勝負の“波”を読む堂嶋。あらゆる意味で自分と対照的な堂嶋との出会いは、ケイの中に爪痕を残す。
“氷のK”の噂には続きがあった。マンションにひとりで暮らしている“氷のK”は、部屋に少女を飼っていると。事実、ケイの暮らすマンションにはアミナ(茜音)という外国人の少女が住んでいた。アミナは、つねになにかに怯えるように、部屋の押し入れに身を隠し生きている。高校でケイと同じクラスの女子生徒・優(東亜優)は学校でいつも孤独なケイのことをなにかと気にかけるが、ケイは優に自分の事情を明かすことなく、アミナの待つ部屋へと帰り、そして雀荘へ通う。
ある日、ケイは関(一條俊)からの依頼を受ける。代打ちは受けないケイではあるが、アミナの存在を知る関の依頼を拒むことはできず、文字通り“命を賭けた”卓を囲むことになる。
やがて、再び関からの連絡が入った。いつものように依頼を断ろうとするケイだったが、関の一言がケイの気を変わらせた。今回、関が依頼してきたのは、あの堂嶋との対戦だった――。