
同じ校舎で日々を過ごす5人の少女たち。彼女たちはそれぞれに“いま”を生きている……。
2年連続の日本武道館コンサートを成功させるなど、高い人気を誇るガールズボーカル&ダンスグループ・東京女子流。2012年公開の『あの娘が浜辺で踊っている』で注目を集めた新鋭女性監督・山戸結希(やまと・ゆうき)。音楽界と映画界、ふたつの若いきらめきが重なったとき、珠玉の青春映画『5つ数えれば君の夢』が誕生した。
舞台となるのは、文化祭開催を控えた女子高等学校。クラシック音楽の旋律に乗せて綴られる物語は、東京女子流のメンバー5人、山邊美夢(やまべ・みゆ)、新井ひとみ、庄司芽生(しょうじ・めい)、小西彩乃、中江友梨が演じる登場人物の全員が主人公と呼べる、多面体のような輝きを見せる。
映画初主演となる東京女子流の5人が見せる初々しさと、硬質な響きを持った文学的なセリフが、この映画でしか味わうことのできない独特の魅力を生み出している。また、情感をより高めていくような音の演出にも注目だ。
主題歌ももちろん東京女子流が担当。気鋭の音楽プロデューサー・きくおが山戸監督のイメージを取り入れて書き下ろした「月の気まぐれ」が、映画の世界をさらに広げていく。
映画の中の少女たちのような瞬間を、いま経験している人、かつて経験した人、これから経験する人。どんな人も『5つ数えれば君の夢』という85分の奇跡を体験したとき、胸に微かなざわめきを感じるだろう。それはきっと、5人の少女が感じているのと同じざわめきだ。

文化祭の開催を間近に控えた女子校・手越女子高等学校に通う5人の少女。
園芸部の部員でクラスではあまり目立たない、さく(山邊美夢)。
周りから浮いており学校ではいつもひとりの、りこ(新井ひとみ)。
クラスの中心グループのリーダー的存在の、宇佐美(庄司芽生)。
グループの中でも誰よりも宇佐美の近くにいる、都(小西彩乃)。
文化祭実行委員の委員長として準備にいそしむ、みちる(中江友梨)。
文化祭に向けて盛りあがる生徒たちをよそに、ひとりで花壇の手入れをする、さく。文化祭のミスコンでA組の代表に選ばれたりこは、別のクラスでいままで話したこともないさくに、なぜか近づいてきた。
いつもみんなからチヤホヤされている宇佐美は、C組の代表としてミスコンに出場することになる。都は、宇佐美なら優勝は間違いなしだと熱心に応援をしている。
完璧主義者のみちるは、ほかの生徒が心配するくらい文化祭実行委員の仕事に打ち込んでいく。
憧れや、共感や、友情。
嫉妬や、不安や、焦燥。
少女たちのさまざまな気持ちが交錯していく中、文化祭の日がやってくる……。