
深夜バスに乗って東京にやってきたぼんちゃん(佐倉絵麻)とリンちゃん(高杉真宙)。ぼんちゃんは、BLやアニメやゲームが大好きな、いわゆるオタクの女子大生。リンちゃんも同じくオタクで、年上のぼんのことを「ねえさん」と呼んでいる。
同人誌専門店でプレミア価格の付いたBL同人誌を眺めるぼんちゃんとリンちゃん。だが、ふたりがわざわざ東京へとやって来たのは同人誌を買うためではない。親友のみゆ(比嘉梨乃)を連れ戻すというのがふたりの目的である。みゆは半年前から東京で彼氏と同棲中なのだが、彼氏に暴力を振るわれているという連絡があったあと1ヶ月も音沙汰なしなのだ。みゆの身にただごとではないことが起こっていると考えたぼんちゃんとリンちゃんは、ふたりの間で“肉便器”というアダ名で呼ばれているみゆを助け出す「肉便器救出作戦」を実行に移したのである。
ぼんちゃんとリンちゃんは、ネットを通じて知り合った東京在住の中年オタク・べびちゃん(桃月庵白酒)と合流して作戦への協力を依頼する。べびちゃんを刑事に仕立て上げ、みゆの彼氏の家に乗り込むというのがふたりの考えた作戦だ。
ぼんちゃんとリンちゃん、べびちゃんは、みゆの彼氏・蟹江田敬三(まつ乃家栄太朗)の家を訪れ、首尾よく蟹江田の部屋に入ったものの、そこにみゆの姿はなかった。蟹江田は、みゆとはもう別れたと言う。さらに蟹江田は、みゆは同棲中から蟹江田に隠れてデリヘルで働いており、それがバレたのが別れた理由なのだと告げる。自分のほうが被害者だと話す蟹江田……。
蟹江田の話をにわかには信じられないぼんちゃんとリンちゃん。事実をたしかめるため、べびちゃんはデリヘルに電話し、みゆの源氏名だという“五月”を指名する。やがて、べびちゃんとの待ち合わせ場所に“五月”がやって来る……。