青沼瑞希(桜木梨奈)は、学校でひどいイジメに遭っているが、どんなに屈辱的な目に遭わされてもイジメの首謀者である彩(中村映里子)たちに媚びることなく、毅然とした態度をとり続けていた。
瑞希と同じクラスの目立たない女子生徒・桐絵(島村舞花)は、そんな瑞希と友達になりたいと思うが、別の学校である事件を起こして転校してきた過去を持つ瑞希は、桐絵にも冷淡な態度をとるだけだった。
瑞希の母親・今日子(不二稿京)は近所の目を気にするあまり精神が不安定となり、父親の繁男(諏訪太朗)は、なにより世間体を大事にする人物。瑞希にとって自分の家も心やすまる場所ではなかった。
孤独を抱える瑞希は、次第に桐絵に心を開いていく。いつも学校をサボっている男子生徒の柴内(浅田駿)も交えて3人、柴内の作った隠れ家に集まるのが日課になっていった。
瑞希と親しくなったことで、桐絵もまた彩たちのイジメの標的になっていく。そして、教師の山田(泊帝)と児玉(飯島大介)は柴内に目をつける。担任の女性教師・西沢(安部智凛)はイジメを見て見ぬふり。クラスメイトからも教師からも虐げられる瑞希と桐絵と柴内は、互いを助け合う味方となることを誓う。
彩たちのイジメがエスカレートする中、ついに我慢の限界を迎えた瑞希だったが、逆に彩たちから凄惨なリンチを受ける。一方、桐絵は山田と児玉に襲われ、柴内の目の前で犯されてしまう……。
心も体もボロボロとなった瑞希。彼女の目に、禍々しく咲き誇る“華魂”の花が映っていた……。
華魂
監督:佐藤寿保
出演:桜木梨奈 島村舞花 浅田駿 中村映里子 ほか
2014年1月18日(土)より新宿K's cinemaほかにて公開
2013年/カラー/HD/106分
学校で激しいイジメの標的となっている少女・瑞希。禍々しく咲く“華魂(はなだま)”が彼女にとり憑いたとき、誰も予想だにしなかった恐るべき狂気の世界が訪れる……。
『乱歩地獄・芋虫』『名前のない女たち』など、海外でも高く評価される作品を精力的に送り出している監督・佐藤寿保。ピンク映画時代から血まみれの狂気とエロスを描いてきた佐藤が、10年の構想を実現させて送り出す新たな恐怖が『華魂』だ。
脚本に監督としても多くの作品を手がけるいまおかしんじ、撮影に日本を代表する女性カメラマンの芦澤明子、照明に園子温監督作への参加も多い御木茂則、音楽に大ヒットドラマ「あまちゃん」の音楽を手がけた大友良英と、日本映画界屈指のスタッフが集結し、圧倒的なエネルギーに満ちた世界を描き出した。
過酷なイジメに遭いつつも決してくじけない主人公の瑞希には石井隆監督作品『フィギュアなあなた』『甘い蜜』などに出演する桜木梨奈、瑞希と友情を築いていく桐絵には本作が劇場作品デビューとなる島村舞花と、オーディションで抜擢されたふたりの若手女優がダブル主演。両名ともオールヌードも披露する文字通りの熱演を見せる。
そのほか、ドラマなどで活躍する浅田駿、話題作『愛の渦』出演の中村映里子ら若手キャストに加え、名バイプレイヤーの飯島大介と諏訪太朗、塚本晋也監督『鉄男』でヒロインを演じた不二稿京(ふじわら・けい)のベテラン陣が共演する。
セーラー服に身を包んだ少女たちを襲う、あまりにも理不尽で過酷な惨劇。それは現代の縮図でもある。血とエロスと暴力のハードな描写の中に、現代を生きぬくための“決意”が在る。
- 青沼瑞希:桜木梨奈
- 桐絵:島村舞花
- 柴内:浅田駿
- 彩:中村映里子
- 山田:泊帝
- 西沢:安部智凛
- 教師・児玉:飯島大介
- 青沼繁男:諏訪太朗
- 青沼今日子:不二稿京
- 監督 ・原案 :佐藤寿保
- 脚本:いまおかしんじ
- プロデューサー:小林良二
- 協力プロデューサー:矢島仁
- 撮影:芦澤明子
- 照明:御木茂則
- 録音:西山秀明
- 編集:橋口卓明
- 特殊造形:鶴岡瑛子
- 助監督:岡元太
- 音楽:大友良英
- 共同研究:東京工芸大学
- 制作・配給:渋谷プロダクション