KAZUYA 世界一売れないミュージシャン
監督:田村紘三
出演:KAZUYA ほか
2014年4月12日(土)より25日(金)まで新宿K's cinemaにてレイトショー
2012年/カラー/96分
1990年代、札幌を拠点に活動し絶大な人気を誇ったバンド・PHOOL。メジャーデビューを期待されつつも10年の活動ののちにバンドは解散。ボーカルのKAZUYAは、現在はソロの歌うたいとして主に札幌で活動を続けている。『KAZUYA 世界一売れないミュージシャン』は、KAZUYAの活動を1年5ヶ月にわたって追ったドキュメンタリー映画である。
バンド解散以降ライブの集客は減少し、いまや1回のライブに観客は4、5人、月の収入は大抵3万以下、年齢は50歳を越えたがこの20年間働いたことはなく、いわゆる「ヒモ」として生活しているKAZUYA。ミュージシャンとしての才能を認める人は多いが、かつてのバンド仲間から「ダメ男の生き方を貫いている」と評される、ちょっと困ったオジサンである。
そんなKAZUYAの魅力に惹かれて映画を作ろうと思い立ったのが、札幌で美容室とスープカレーの店を経営する田村紘三。友人の映像作家・中川究矢の協力を得て、初の監督をつとめてドキュメンタリー映画製作に乗り出した。
取材は2011年にスタート。しかし日々を漫然と過ごすKAZUYAの周りではいたってなにも起こらない。そこで田村は、10年ぶりとなるKAZUYAのソロアルバム製作を企画。久々のレコーディングや、プロ作詞家との共同作業、初めてのプロモーション活動など、KAZUYAの奮闘をカメラで追っていく。
ドタバタな展開が思わず笑いを誘う『KAZUYA 世界一売れないミュージシャン』だが、そこにはあくまでミュージシャンとしての顔を見せようとするKAZUYAと素顔に迫りたい監督のせめぎあいや、現在の音楽シーンの現実も透けて見えてくる。そしてなにより大事なことは、この映画は観たあとに「まあ、これでもいいんじゃない?」と、ちょっと心を軽くしてくれる。
- KAZUYA
- SHIBA
- ワタナベマモル
- 梶原信幸
- あさくらせいら
- 監督・編集:田村紘三
- プロデューサー:貝澤昭宏/田村紘三
- 編集・整音・アソシエイトプロデューサー:中川究矢
- 撮影:貝澤昭宏/田村紘三/田中秀樹
- スチール:貝澤昭宏/田中秀樹
- ヘアメイク:伊藤望/西辰則/高橋幸太郎
- 映像・資料提供:高瀬菜穂美/梶原信幸/ささきあけみ
- アドバイザー:こだまじゅんじろう
- 音楽:KAZUYA
- ナレーション:サエキけんぞう
- 制作協力:Power Arts Production
- 製作:有限会社PUPA/KAZUYA映画実行委員会