
川崎の仲見世通り、開店前のキャバクラ“ハニーバニー”の店内に身を潜める3人の男。この店の雇われ店長のシュウ(藤原竜也)と、ボーイのコジ(田中聖)、そして常連客で焼肉チェーン店社長の健さん(小杉竜一)だ。3人は、銀行強盗を決行し大金を手にした。そして事前の約束通り奪った金を3人平等に3分の1ずつ分ける――はずだったのだが、いざ大金を前にしたとき、それぞれの中に自分の取り分を増やしたいという欲望が生まれた――。
話は1週間前に遡る。店の売上げ金400万円をオーナーの破魔翔(窪塚洋介)に届ける途中で競馬場に立ち寄ったシュウは、金を入れたバッグをなくしてしまった。破魔翔は自分の意に沿わないものは容赦なく始末するヤバい男。売上げ金をなくしたと知れたらただでは済まない。そこにたまたまやって来たのは、ハニーバニーの売れっ子キャバ嬢・まりあ(中島美嘉)。事情を知ったまりあは、シュウを“川崎の魔女”と呼ばれる金貸し・渋柿多見子(池畑慎之介☆)のもとに連れて行く。多見子から400万円を借りて破魔翔に渡す売上げ金を用意することはできた。しかし、多見子も金を返さない相手には容赦のない女。1週間で高額な利子を付けて多見子に金を返さなければ、やはりただでは済まない。
進退窮まったシュウにまりあが提案してきたのは、なんと銀行強盗の計画。実はまりあも大金が必要な事情があったのだ。まりあの計画に従い仲間を集めることになったシュウは、ギャンブル好きで借金を作ったコジと、事業が失敗して破産寸前の健さんを計画に引き入れた。ただし、シュウの背後にまりあがいることはふたりに隠したままで。
こうして集まったシュウ、コジ、健さんの3人は、いよいよ銀行強盗を決行する。そして――。