
偶然に出会った男女は、1台の車に乗り旅を続ける。男は、母を殺してきた。女は、記憶を失った。それぞれに欠落を抱えて、ふたりはそれぞれの「目的地」を目指す……。
『キル・ビル』『ラストサムライ』など海外作品への出演も多い菅田俊と、『ヘヴンズ ストーリー』などインディーズ作品からメジャー作品まで多彩な役柄を演じる菜葉菜(なはな)。現在の日本映画界に欠かせないふたりの個性派が主演をつとめるロードムービーが『Bad Moon Rising』だ。
これまでも同一作品への出演はある菅田俊と菜葉菜だが、本作では主演としてこれまでになく密度の高い共演を見せる。菅田俊の演じるケイジ、菜葉菜の演じるトワコ、ふたりの“人生”を感じさせる演技は観る者を圧倒する。
そして、ケイジの母親役の大方斐紗子、ケイジの別れた妻役の美保純のベテラン陣をはじめ、出演作『鏡の中の笑顔たち』では脚本も手がけた注目の女優・瀬古千裕や映画やミュージックビデオで活躍する結城貴史ら、多彩なキャストが共演している。
脚本はサンダンス・NHK国際映像作家賞グランプリ受賞者である倉田健次。『Life on the Longboard』『鏡の中の笑顔たち』などハートウォーミングな作品を数多く手がけてきた喜多一郎がメガホンをとり、これまでの監督作とは異なる緊張感と不穏さの中で人間の心の陰を描き出してみせた。
ケンジとトワコの旅は、観客を衝撃の結末へと導いていく。その結末になにを見るのか? 『Bad Moon Rising』は、きっと観る者ひとりひとりの心を映し出す。

真冬の冷たい空気の中を1台の車が走る。
運転席には、もう若くはない男(菅田俊)。
助手席には、若い女(菜葉菜)。
男は、母親の介護に疲れ、死を望む母親を殺した。
母の死体と乗せ、男は車を走らせる。
女は、病院の一室で目を覚ました。
女が戻った自宅に家族の姿はなく、ただ印をつけたカレンダーが残されていた。
家族を探そうとする女は、その途中で気を失う。
男は、山道で倒れている女を見つける。
男の名は、ケイジ。
女の名は、トワコ。
記憶の一部を失いながら、トワコは家族と訪れるはずだった場所を目指す。
トワコの息子の名は、偶然にも男と同じ“ケイジ”。
ケイジはトワコに付き添うことを決め、ふたりの旅が始まる……。