群青色の、とおり道
監督:佐々部清
出演:桐山漣 升毅 宮崎美子 杉野希妃 安田聖愛 伊嵜充則 井上順 ほか
2015年7月11日(土)より ユーロスペースほかにて全国順次ロードショー
2015年/カラー/DCP/アメリカンビスタ/ステレオ/105分

ミュージシャンを目指して上京してから10年。久々に生まれ育った街に戻った青年は、懐かしい風景と懐かしい人々に囲まれ、未完成だった曲の続きを生み出していく……。
芸術や文化の発展に力を入れている群馬県太田市は、市合併10周年を記念して映画製作を企画した。その企画から生まれたのが『群青色の、とおり道』。太田市の名所や例年賑わいを見せる尾島ねぶた祭の様子も織り込み、ひとりの青年の再生をあたたかなタッチで描いていく。
企画を提案し脚本とプロデューサーをつとめたのは、太田市出身の新鋭クリエイター・橋本剛実。橋本をはじめとする地元の人々の熱意に動かされ、『チルソクの夏』『半落ち』などで知られるヒューマンドラマの名手・佐々部清がメガホンをとった。
キャストは、主人公の真山佳幸を「仮面ライダーW」主演で人気となった若手男優の桐山漣が演じて上京から10年を経た青年の心理を丁寧に表現するのをはじめ、ヒロイン・唯香(ゆいか)には監督・映画プロデューサーとしても注目される杉野希妃、佳幸の父親には升毅、母親には宮崎美子、佳幸の妹にはホリプロタレントスカウトキャラバングランプリの安田聖愛(やすだ・せいあ)、さらに佐々部作品常連の伊嵜充則や井上順ら、この作品にふさわしい充実のメンバーが揃った。
そして、映画のロケ地である群馬出身のバンド・back numberのセカンドアルバムに収録されている「電車の窓から」が劇中歌として使われ、ストーリー上で大きな役割を果たしている。
人々の心に、故郷が与えてくれるもの。現代に生きる人々に、見失いがちな大切ななにかを伝えてくれる作品だ。

電車が東京から離れるほどに変わっていく空の色。真山佳幸(桐山漣)がギターと小さな荷物を持って10年ぶりに戻った故郷は、群青色の空が広がる街だ。
駅まで佳幸を迎えに来てくれたのは、相変わらず元気で明るい母親の明子(宮崎美子)。父親の年男(升毅)が営む小さな工場も、街の景色も、まるで佳幸が東京へ旅立った10年前と変わらないように見えるが、あのころまだ小さかった妹の幸恵(安田聖愛)はもう大学受験を控えた高校生。10年の月日は確実に流れていた。
10年前、工場を継がず東京でミュージシャンを目指すという佳幸に年男は激怒、佳幸はそのまま年男と和解することなく街を出た。久しぶりに4人揃って食卓を囲む家族には、どこかぎこちなさが漂う。そして年男は、一度も連絡を取ることのなかった佳幸を呼び戻した理由を、まだ母と妹には告げていないらしい……。
しばらく実家に滞在する佳幸は、工場の配達の手伝いで訪れた小学校で、音楽の教師となったかつての同級生・唯香(杉野希妃)と再会する。唯香は、佳幸が高校時代に歌って聴かせた歌をまだ覚えていたが、その歌は10年経ったいまでも未完成のままだった。合唱クラブの顧問をしている唯香は、もうすぐ開催される祭りで合唱クラブが歌う曲を作ってほしいと佳幸に頼むが、佳幸はその依頼を断ってしまう。
まだ叶えられていない、ミュージシャンとして成功するという佳幸の夢。懐かしい人々や風景の中で自分を見つめなおす佳幸は、やがてメロディを、そこに乗せる言葉を紡ぎはじめる……。