ヤクザと憲法
監督:圡方宏史
2016年1月2日(土)より ポレポレ東中野にてロードショー ほか全国順次公開
2015年/カラー/HD/16:9/96分
カメラが映す部屋の中。取材スタッフは「拳銃はないんですか?」と言葉をかける。カメラの前の男性は「テレビの見過ぎじゃないですか?」と笑う。この部屋は、指定暴力団の事務所の一室である――。
中京地区を放送圏とする東海テレビ放送は、テレビ用に製作されたドキュメンタリー番組の全国へ向けた劇場公開にも意欲的に取り組んでいる。その「東海テレビドキュメンタリー劇場」第8弾となるのが『ヤクザと憲法』だ。東海テレビ放送のスタッフが大阪の指定暴力団「二代目東組二代目清勇会」に密着。「取材謝礼金は支払わない」「収録テープ等を事前に見せない」「モザイクは原則かけない」の取り決めのもとで、現在減少傾向にある“ヤクザ”の現実を捉える。
監督は圡方宏史。物議を醸したドキュメンタリー『ホームレス理事長〜退学球児再生計画〜』を手がけたのち事件記者となった圡方が「東海テレビにしか作れない」テーマに挑み、プロデューサーも『ホームレス理事長』と同様にこれまで多くのドキュメンタリーを手がけてきた阿武野勝彦がつとめた。
『ヤクザと憲法』は、そのタイトルが示唆するように、作品の中盤以降で“ヤクザの人権”に迫っていく。銀行口座も作れず保険にも入れない“ヤクザ”の苦悩。そして暴力団の顧問弁護士はバッシングや自ら被告となる裁判に直面する。二代目清勇会の会長・川口和秀は、ヤクザやその家族であるゆえの実害の例を集め、これは人権侵害ではないかと問う。
ナレーションなしに進む映像は、指定暴力団に密着しつつも決して彼らを美化することなく、フラットな姿勢で現状を伝えようとする。その視点の先に、観客はなにを見出すのか?
- 監督:圡方宏史
- プロデューサー:阿武野勝彦
- 撮影:中根芳樹
- 音声:野瀬貴弘
- オーサリング:山口幹生
- TK:河合舞
- 音響効果:久保田吉根
- CG:松井裕哉
- 編集:山本哲二
- 法律監修:安田好弘
- 音楽:村井秀清
- 音楽プロデューサー:岡田こずえ
- 映像協力:関西テレビ放送
- 製作・配給:東海テレビ放送
- 配給協力:東風