まんが島
監督:守屋文雄
出演:水澤紳吾 守屋文雄 川瀬陽太 柳英里紗 ほか
2017年3月25日(土)より 新宿K's cinema ほか順次公開
2016年/カラー/ビスタ/ドルビーデジタル/107分

電気もない、水道もないその絶海の孤島には、5人のオジサンたちが住んでいた。そしてその島に立てられた看板にはこう書かれていた。「マンガ家以外の立入を禁ずる」。そう、5人のオジサンは、みな「マンガ家」なのだ……。
沖田修一監督作品『キツツキと雨』や熊切和嘉監督作品『ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-』、いまおかしんじ監督作品などの脚本を手掛けるほか、俳優としても活躍する守屋文雄。彼の初の長編監督作品となるのが『まんが島』(まんがじま)。伝説的マンガ家たちが若き日を過ごしたアパート・トキワ荘を絶海の孤島に置きかえたような奇抜な発想のもとで繰り広げられる、5人のオジサンのサバイバル・ムービーだ!!
主人公の永沢を演じるのは、大森立嗣監督『ぼっちゃん』主演で高く評価された水澤紳吾。永沢とコンビを組む守吉を演じるのは監督の守屋文雄。さらに、松浦祐也、宇野祥平、政岡泰志と、個性あふれる俳優陣がマンガ家たちを演じ、5人のマンガ家と深く関わるマンガ雑誌編集者役で『シン・ゴジラ』出演でも注目を集める名バイプレイヤーの川瀬陽太、若き女性アシスタント役で出演作が続く若手女優・柳英里紗と、近年の日本映画界に欠かせない俳優陣が共演している。
そして、守屋自身のアイディアを実際にマンガ家アシスタントとして活躍する岡田悠が具現化した劇中マンガや、打楽器奏のAkira-Sunriseが洞窟の中で演奏した音楽が、俳優陣の熱演と相まって映画の世界を一層強固なものにしていく。
オジサンたちの大自然の中での奮闘を描く『まんが島』は、同時にさまざまな「境界を超えていく」物語でもある。鬼才・守屋文雄の圧倒的なパワーが境界を破壊する、未曾有の怪作を体験せよ!!

日本のどこかにある、小さな船に乗っていくしかない絶海の孤島。携帯の電波も通じないその島には、こんな看板が立てられていた。「マンガ家以外の立入を禁ずる」。
看板に書かれたとおり、その島に住んでいるのは、コンビでマンガを描いている永沢伸太郎(水澤紳吾)と守吉文彦(守屋文雄)をはじめ、小林裸足(松浦祐也)、藤井寺ポン(宇野祥平)、徳田かおる(政岡泰志)のマンガ家5人だけ。都会では、編集者の冬田勇太(川瀬陽太)に罵倒され、マンガ家アシスタントのユキ(柳英里紗)には「ダサっ!」と言われるような、40歳前後のオジサン5人は、電気水道ガスなどもちろんなく、危険な動物がウヨウヨするこの島で、掘っ立て小屋のような家を建て、大自然に囲まれてただマンガを描いている。
島にはときどき船長の長平(長平)の船がやってきて、その船だけがかろうじて島と外界をつないでいた。ところが、いつのころからか長平の船は島にやって来なくなった。当然のように食べ物は尽き、島の中で食べられるものを調達しなくてはならなくなるオジサン5人。やがて食べ物だけでなく、マンガを描くための墨汁も、紙すらもなくなっていく。それでも5人のマンガ家は、ひたすらにマンガを描き続けようとする。それは、情熱か、狂気か、その両方なのか。「世界のだれも知らないところで、世界の誰の役にも立たないこと、やってる……」
そんな中、島に近づく船の影が見える。船に乗っていたのは、編集者の冬田。手土産のハンバーガーを袋いっぱいに抱えて、冬田は島に上陸する……。