
芸歴5年の女性漫才コンビ“アカコとヒトミ”。大学時代からの付き合いのふたりは、仲がいいのか悪いのか、何度ケンカをしても離れない。『笑う招き猫』は、そんなふたりのちょっと変わった友情をコミカルに、そしてキュートに描いた作品だ。
原作は、第16回小説すばる新人賞を受賞した山本幸久の同名小説。ドラマ・映画で展開した「荒川アンダー ザ ブリッジ」シリーズや映画『大人ドロップ』などで知られる飯塚健が、脚本と監督をつとめて映画化した。
そして主演には、注目の若手女優ふたりが顔を揃えた。高城ヒトミ役には、多くの映画・ドラマに出演し『暗黒女子』『東京喰種』など出演作公開が続く清水富美加。本田アカコ役には、アイドルグループ・SKE48を卒業後に舞台主演もつとめ、ドラマ「神奈川県厚木市ランドリー茅ヶ崎」に続く飯塚監督作品出演となる松井玲奈。ふたりが初共演ながら見事なコンビネーションを見せ“女の友情”を全身で表現してみせる。
また、若手男優として評価を高める落合モトキと荒井敦史、出演CMが話題の前野朋哉、バンド“在日ファンク”のリーダー・浜野謙太、お笑いトリオ・東京03の角田晃広、劇作家でもある岩松了、ベテランの戸田恵子ら、個性あふれるキャストが共演し、飯塚監督作品の魅力であるテンポのいい掛け合いを繰り広げてアカコとヒトミの物語を盛り上げていく。
漫才コンビという役を演じるにあたり、清水富美加と松井玲奈は漫才の稽古を積んで撮影に臨んだ。その成果が存分に発揮されたクライマックスの漫才シーンは、まるで実際の漫才ライブを観るかのような実感あふれるシーンとなっている。
迷ったり悩んだりしながらも純粋に笑いに掛けるアカコとヒトミの情熱が、笑えるほどに胸を打つ青春ムービーの誕生だ。

“アカコとヒトミ”は、しょっちゅうケンカしてばかりの女性漫才コンビ。大学時代からの付き合いの高城ヒトミ(清水富美加)を本田アカコ(松井玲奈)が誘ってお笑いの世界に飛び込んでから、何度となく揉めては解散の危機を迎えてきたが、結局は元の鞘に収まって、出会って7年、コンビを組んで5年になる。
とはいってもほとんど仕事のないアカコとヒトミは、アカコの幼なじみで自転車屋の蔵前(落合モトキ)と蕎麦屋の大島(荒井敦史)と4人でつるんでは、自転車ドロボウの中学生の事情に首をつっこんだりする日々。たまに大学時代の仲間でいまは映画の録音部になった土井(前野朋哉)や、ごく平凡なサラリーマンになった和田(浜野謙太)と会い、土井や和田の毎日はふたりと会ったことで少し変わったりもしていく。
アカコが先輩漫才コンビを殴って騒ぎを起こしたりもするふたりだが、デビューのころから厳しくふたりを見守っているマネージャーの永吉(角田晃広)の尽力や、事務所社長・岩倉(岩松了)の気まぐれもあって、テレビのバラエティ番組にも進出。ライブの動員も伸びはじめ、先輩芸人の失敗を埋める活躍で実力も認められだした。一方で、ヒトミの前には元カレの草野(稲葉友)が現れて、ヒトミの心は微妙に揺れ動く。
そんな中、ようやく上り調子になったかと思えたアカコとヒトミに予想外の事態が訪れる。それをきっかけに、アカコとヒトミ、それぞれの気持ちのズレが明らかになっていく。
幾たびも乗り越えてきた解散の危機だが、今度ばかりは修復不能? アカコとヒトミはついに解散してしまうのか……。