人気作家・乙一さんの小説を映画化した『GOTH』の完成披露試写会が12月1日にスペースFS汐留でおこなわれ、主演の本郷奏多さんと高梨臨さん、高橋玄監督らが舞台あいさつをおこないました。
『GOTH』は、死体や殺人などに興味を持つ高校生の男女が猟奇事件に関わっていく物語。
主人公・神山樹を演じた本郷さんは、人間の闇の部分に惹かれるという役柄について「最初はプレッシャーもありましたが、撮影に入る前からリハーサルもたくさんできたし、監督とお話しすることもできたので、撮影に入るときはプレッシャーはありませんでした」と語り「監督から勧められた映画を観たり、死体の写真の載っている本を見たり、もちろん原作も読んだり、できる限りのことをしたと思います」と役作りを振り返りました。
同じく人間の闇に興味を持つヒロイン・森野夜を演じた高梨さんは「森野夜は感じることはけっこう普通の女の子と同じところがあって、それがストレートに表情にでないだけなので、共感はできないけど理解はできました」と役についてコメント。
そんな主演のふたりについて、大橋孝史プロデューサーは「なかなか映画化が実現しなかった難しい作品。(実現したのは)役者さんが決め手でした」と、高橋監督は「このふたりがいなかったら成立しなかった映画だと思います」と絶賛しました。
『GOTH』完成披露試写会
舞台あいさつをおこなった高梨臨さん(左)と本郷奏多さん(右)
「原作に沿って作られているんですけど違う視点から見ているという印象を受けたので、原作ファンの方や原作を知らない方たちがどんな印象を受けるのか楽しみにしています」とヒロイン・森野夜を演じた高梨臨さん
「去年の夏に撮って、ずっとみなさんに観てほしかったんですけど、やっと観てもらえるのでとても嬉しいです。テーマは重いけれども映像も綺麗なので楽しんで観てほしいです」と、主人公・神山樹役の本郷奏多さん
「若いふたりの魅力爆発、青春映画のつもりで撮りました。撮ってたのが夏休みでしたから、夏休みの課題を一緒にやっているような雰囲気が残っているかな」と撮影を振り返った高橋玄監督
また、本作は本郷さんが何度も「映像が綺麗」と強調するほどの映像美が魅力のひとつ。高橋監督は「全編に渡って“銀残し”(※)という手法を使っていまして、全体にダークな映像になっています。綺麗に撮ることで単なる残酷物語ではなく、その裏側にある少年少女の繊細な部分が出せたらいいなと思いました」と映像に込めた意図を語りました。
舞台あいさつの最後には、本郷さんは「観たあとで“明日から頑張ろう”と思うような映画ではないですし、美術品を見るようなイメージで世界観を観てほしいかなと思います」と丁寧に言葉を選びながら見どころを語り、高梨さんは「ストーリーを知った上でまた観るとまた違った楽しみ方ができる映画だと思うので、最初は楽しんでいただいて、繰り返し観ていただけると嬉しいと思います」と作品をPRしました。
独特の世界が展開される『GOTH』は、12月20日(土)より渋谷シアターTSUTAYAほか全国順次ロードショー公開されます。
※銀残し:日本映画界屈指の名カメラマンである故・宮川一夫氏が開発した現像技術