発行部数累計1700万部を突破する人気コミックを、中村優一さん、加藤和樹さんらをキャストに迎えて実写映画化する『湾岸ミッドナイト THE MOVIE』の製作発表会見が4月27日に都内でおこなわれました。
『湾岸ミッドナイト THE MOVIE』は、“悪魔のZ”と呼ばれるフェアレディS30Zに魅入られた高校生・アキオを主人公に、最速を求める男たちの繰り広げるカーバトルを描いた作品。
会見には、アキオ役の中村さん、ライバル・島達也役の加藤さんをはじめ、米原幸佑さん、佐田正樹さん、室賀厚監督が出席しました。
『湾岸ミッドナイト THE MOVIE』製作発表会見
映画に登場するポルシェとフェアレディZをバックに並んだキャストと監督。左から、佐田正樹さん、加藤和樹さん、中村優一さん、米原幸佑さん、室賀厚監督。キャストの4人は劇中の衣装で登場
朝倉アキオ役:中村優一さん
朝倉アキオ役の中村優一です。アキオという役は、クールなんですけれども車大好きで、車のことになるとちょっと子供っぽさがでたり、熱くなったりと、そういう役です。
ぼくは実際のところ車の免許を持っていないので、車っていつも両親が運転しているところしか見ていないんですよ。それで(映画に出てくる)Zがマニュアルで、ギアを変えたりするんですけど、それも最初わからなかったので、そこから勉強しました。撮影をする前にすごい勉強させていただいて、撮影中はちゃんとギアも変えたりとかいろいろやっていました(笑)。Zに乗りたいので、これを機にほんとに(免許を)取りたいですね。
とにかく、車のレースシーンはスリルもありますし、白熱していると思うので、そこは間違いなく見どころなんですけど、あとは男たちの熱い気持ちだったり、加藤くんとはライバル役なんですけど、最初はライバルだったのが車をつうじてふたりの中でできあがっていく気持ちとかも見どころだと思います。
島達也役:加藤和樹さん
島達也を演じました加藤和樹です。ぼくが演じた島達也という役は“黒い怪鳥・ブラックバード”と呼ばれる役で、普段は医者なんですが、命を助けるのに、なんで自分の命を危険に冒していくのかと自問自答しているところがあるんですね。それでアキオが乗るZという車にすごく執着を感じていて、なぜかずっとアキオのことが気になっているという役で、アキオとの関係性がどうなっていくのかという、そんな作品でもあります。
やはり有名な作品ですし、ぼくもタイトルは知っていたのですが、恥ずかしながらそんなに詳しく読んだことはなくて、出演が決まってから、まず自分がやる達也という男がどういう奴なのかというところを探りはじめました。そして、車に関して自分も知っておかなきゃいけないなということで、実際のポルシェに乗らせていただいたりとか、どれくらい体に重圧がかかるのかとか、そういうことから掘り下げていきました。車の扱いもそうですけど、自分と、この車(ポルシェ)が似合っているかなというところをすごく気にしたんですよ、これだけの車を乗っているということは、相当カッコつけもそうですけど、この車に乗っているにふさわしい人間じゃなくてはいけないなというのはすごくありました。(撮影が終わって、ポルシェと)ちょっとまた距離感が開いたなって感じはしますね(笑)。
(映画の見どころは)車をとおして生まれてくる絆というものですね。それは友情でもないですし、言葉では表せないなにかというものが、この作品にはあるんですね。だから、ぶつかり合うのはアキオと達也なんですが、そのほかの人たちにも車に対する熱い想いというのがありますし、あとはこだわってこだわりぬいた車のシーンを一番観て欲しいなと思います。原作にも負けないシーンになっていると思うので、よろしくお願いします。
高橋正輝役:米原幸佑さん
今回、高橋正輝をやりました米原幸佑です。いま、髪の毛こんなになっているんですけど、本番では黒い髪の毛で、アキオと同級生の役です。すごい女好きというか、一番この中では現代人っぽいというか、チャラチャラした男の子をやっていまして、アキオがよく通う整備工場の、佐田さん(が演じた役)と一緒に経営しているところの弟です。
車の話なんで、ぼくも運転するシーンがあるのかなと思っていたんですけど、ずっと優一(中村さん)の助手席でずっと喋っているみたいな、役的にもそういう感じだったので、でも、今回けっこうクールな男たちが車に対して熱くなる中で、ぼくと佐田さんとかは、真面目の男たちの中での盛り上げ役じゃないですけど、賑やかなキャラクターとして映画の中に出ていると思うので、そっちはそっちで楽しんでもらえれたらなみたいなのもありますね。
ひとつのことに熱く熱中して、ほんとに男らしい映画になっていると思います。男性が観ても「ああ、その熱さがいいな」と思えると思いますし、女性が観ても、そういう一途な男の姿ってなんかカッコよく映ると思うので、楽しみにして欲しいと思います。
高橋功太役:佐田正樹さん
先ほど(米原さんから)説明があったとおり、お兄ちゃんの高橋功太役で、ぼくはお兄ちゃん役で、すごいお兄ちゃんを演じました(米原さんから「“お兄ちゃん”しか言ってないじゃないですか!(笑)」とツッコミあり)。アキオにとってもお兄ちゃん的な存在でもあります。映画の中ではけっこういいお兄ちゃんをやっています(笑)。
ぼくも、正直マンガ自体は知っていたんですけど内容は知らなくて、すごい有名なマンガですし「俺もついにこんな映画に出られるのか、キタな」と思って台本をいただいて、(原作の功太の)絵を見せられたときに「あ、こういうことか」と(笑)。これで俺は選ばれたんだなと納得しました。本番は、ぼくはバイクは詳しいんですけど、車がまったく詳しくなくて、セリフでけっこう「タコ足にローターが」とか車の専門用語を言わなくてはならないんですけど、その「タコ足」とか「ローター」とかよくわからなくて全然頭に入ってこなかったんで、「タコ足」のときには蛸の脚を思い浮かべたり、ローターのときには、昼間ですけどあのローターを想像してとか、独自のやり方でやらせてもらいました、スミマセン(笑)。年齢も一番お兄ちゃんですし、すぐ(現場に)とけ込みました。
原作マンガにもある「さっそく行ってみっか、湾岸へ」というセリフがあるんですけど、そのセリフを言ったときのぼくの“どや顔”を見ていただきたいなと。そのシーンは最後のほうなんですけど、そこから(映画が)始まってもいいくらいです。(室賀監督から「そのシーンないかも知れない」と一言)ないんですか!?(笑)
室賀厚監督
今回はすげえ気合の入った作品に、いま仕上げていますので、期待していてください。
とても有名でファンの多い原作なんで、ぶっちゃけコミックを実写にするというのは、ファンの人たちにとっては否定的に取られる方も多いと思うんですよ。だからぼくとしては、原作の持っている精神だとか、そういうものはできるだけ引き継いでやりたいなと思いまして、そこを気をつけてやりました。
原作どおり、車の走りの映画なので、車の走りというのが見どころかと思うんですが、あとはこちらにいらっしゃる3人のイケメンと、ひとりの微妙な人の(佐田さんから「コラー」との声あり)、迫真の演技を観ていただければ、それが見どころだと思いますので、よろしくお願いします。
実際には車を運転しないという主演の中村さんは「(撮影に使ったフェアレディZは)あんまりない車じゃないですか。やたらと触っちゃったら動かなくなっちゃうんじゃないかと、もうわからないところは触らなかったです(笑)。力強くギアを入れたりするところも、力を入れつつ、いたわって、大切に扱おうと思いました」と、苦労もあった様子。
また、使われていない高速道路での撮影のときに、加藤さんが路上でギターを持って歌ったというエピソードをほかのキャストたちが披露し、加藤さんは「おそらく、高速道路の上でギターを弾いて歌ったのは全人類で俺だけじゃないかな」と自信たっぷりにコメントしました。
『湾岸ミッドナイト THE MOVIE』は、会見に出席したキャストのほか、小林涼子さん、松本莉緒さん、袴田吉彦さんらが出演。2009年夏より全国ロードショーされます(配給:ジョリー・ロジャー)。
『湾岸ミッドナイト THE MOVIE』のもうひとつの主役ともいえるフェアレディS30Z(右)とポルシェ911ターボ(左)。映画では2台の白熱のレースシーンも