堺雅人さんが稀代の結婚詐欺師を演じる『クヒオ大佐』の特別試写会が10月４日にTOKYO FMホールで開催され、堺さんと共演の松雪泰子さんが舞台あいさつをおこないました。“結婚詐欺”を扱った作品ということで、この日の試写会は独身女性限定。上映前に堺さんと松雪さんが舞台に登場すると、観客席からは大きな歓声があがりました。
　アメリカ軍人を名乗って女性に近づくクヒオ大佐を演じた堺さんは「悪人といえば悪人を演じているのですけれども、ひじょうに純真といえば純真な人物でして、映画自体も恋愛物語といえば恋愛物語のようなお話になっています」とあいさつ。「クヒオ大佐がどういう人物なのか最後までわからなくて、クヒオを好きになってくださる女性の表情を見て逆にクヒオが浮かび上がってくる。松雪さんはじめ、３人の女優さん（ほかに満島ひかりさん、中村優子さん）にひじょうにお世話になった作品だったと思っています」と作品を振り返りました。
　クヒオに騙される女性・しのぶを演じた松雪さんは「どう考えてもおかしいなという状況になっていくんですけど、それでも純粋にクヒオを想っていく。純粋すぎてドンくさくて痛い感じになればいいなと思ってやっていました」と役について語りました。

　舞台あいさつの最後には、来場の方々に向けた“騙されないためのアドバイス”が求められ、堺さんは「難しいですね」と笑いつつ「騙す騙さないという意志とは関係なく、人は恋に落ちるときは落ちるものだというのが映画を貫くひとつの軸になっていると思います。恋はするものではなくて気がついたらなっているものという気がしているので、みなさまに素敵な出会いがありますように」とコメント。同じ質問に松雪さんは「疑うところから入ると切ない気がするので、楽しんで自由に恋愛していただいたほうがいいかなと思います」と笑顔で答えました。

　過去に実際にあった詐欺事件をもとに『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の吉田大八監督のメガホンで映画化した『クヒオ大佐』は、10月10日(土)より渋谷シネクイント、新宿バルト９ほか全国ロードショーされます。