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『ワカラナイ』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった小林政広監督、小林優斗さん、柄本時生さん、渡辺真起子さん(左より)

 国内外で多くの映画賞を受賞する小林政広監督の新作『ワカラナイ』が11月14日にヒューマントラストシネマ渋谷で初日を迎え、小林監督と主演の小林優斗さん、共演の柄本時生さんと渡辺真起子さんが舞台あいさつをおこないました。
 『ワカラナイ』は、母親が入院し貧困に苦しむ母子家庭の少年が主人公。小林監督の作品では初めて子供の視点から描いた作品となっており、小林監督は「子供を主人公にする映画ってすごく難しくて、とても自分にはできないと思っていたんですが、50歳を過ぎてやっぱり心残りというか、若いころに『大人は判ってくれない』を観て映画監督になりたいと思ったんで、1度子供を主人公した映画を作ってみたいと思ったんです」と、やはり子供を主人公にしたフランソワ・トリュフォーの作品が制作の動機になっていることを明かし「フィクションですからシナリオがあるわけですけど、それに沿って完成形を頭に入れて映画を作るというかたちでは作れないんですよね。作りながら考えていかないと、出てくる人たちとか物語が紙芝居みたいになっちゃう気がしてね。なるべく現場の空気みたいなものを取り込んで作りたいと心がけたんです」と、作品について語りました。

 『ワカラナイ』が映画初主演となる小林優斗さんは、小林監督の指示により、撮影中はほかのスタッフ・キャストと離れてひとりで過ごし、数キロの移動も徒歩、服も衣裳のまま、食事シーンの撮影以外では食べ物を口にしないという環境での撮影だったそう。「撮影が終わったときにおにぎり貰ったんですけど、胃が小さくなっていて、1個を食べ切れなかったですね」と、その過酷さをうかがわせ、共演の柄本さんも「現場に入って優斗の目を見たとき、なにも信じていないような目になっていて、ちょっとビックリしてしまうような感じでした」と撮影時の小林優斗さんの印象を語りました。
 ロカルノ国際映画祭で4冠を獲得した『愛の予感』に続いて小林監督作品出演となった渡辺真起子さんは「(出演者がふたりだけだった『愛の予感』に比べ)キャストが多いのでまた違った雰囲気で、厳しい現場ではあるんですが気が楽なところはありました」と撮影を振り返りました。

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主人公の少年・川井亮を演じた小林優斗さん

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亮のバイト仲間・木澤役の柄本時生さん

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亮の母親・伸子を演じた渡辺真起子さん

 舞台あいさつに続いては、映画のメインテーマ曲「Boy」を歌ういとうたかおさんが生演奏で「Boy」を披露。演奏に先立っては小林監督がいとうさんとの若いころのエピソードを「もう時効だから」と紹介し、その内容にキャスト陣や客席からも思わず笑いがこぼれました。

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いとうたかおさんとのエピソードも披露した小林政広監督

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いとうたかおさんはギターの弾き語りで映画のテーマ曲「Boy」を演奏

 息詰まるようなタッチで少年の姿を描いていく『ワカラナイ』は11月14日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷にて、11月28日(土)から新宿バルト9にてロードショーされます。

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