歌手・布施明さんが執筆した童話を浅利陽介さんの主演で映画化した『手のひらの幸せ』が1月23日に初日を迎え、有楽町スバル座で布施さんと浅利さん、加藤雄大監督、共演の河合龍之介さんらが舞台あいさつをおこないました。
『手のひらの幸せ』は、昭和30年代から40年代の新潟を舞台に、ひと組の兄弟の絆を描いた作品。原作の童話「この手のひらほどの倖せ」は、布施さんが歌手生活40周年のコンサートツアーで朗読し、その反響の多さから書籍化されたもので、布施さんは「年齢も考えて、コンサートの真ん中に朗読を入れたら楽になるかなあと思って書いたのがこれであります。やってみましたら逆に辛くって、歌っていたほうが楽だったということになりました」と客席を笑わせつつ「本にしていただいただけでも幸せだったのに、映画化していただいて、こんなに素晴しい方たちに出ていただいて幸せです。みなさんに観ていただけるのは嬉しいかぎりです」と初日を迎えた喜びを語りました。
主人公・龍二役で映画初主演を果たした浅利さんは「毎回毎回不安でいっぱいで、でも元気いっぱいにやらせていただきました」と初主演の感想を述べ「(映画の設定が)昭和30年代から40年代という、ぼくにとってはほとんど知らない世界だったので、自分の父親や母親に聞いたりインターネットで調べてみたり、頭の中で(イメージを)膨らませながらやっていくという感じでした」と撮影を振り返りました。
龍二の兄・健一役の河合さんは「この時代の男は美学があって、ぼくはそういう男に魅力を感じるので。そういう部分を出せるように頑張りました」とコメント。
日本映画界を代表する名カメラマンで、今回が初監督作となる加藤監督は「感無量です。撮影監督で永くやってきまして、初めて監督をやる作品で布施さんの素晴しい作品を監督できたことを光栄に思っています」とあいさつし「いま、日本が疲弊してみなさんが苦しんでいるときに、この映画を観て“小さな幸せでいいんだ”という気持ちになるきっかけの作品になれば嬉しいです」と舞台あいさつを締めくくりました。
『手のひらの幸せ』は、1月23日(土)より有楽町スバル座にてロードショー。1月30日からは横浜ニューテアトルでもロードショーが開始されます。