数多くの作品で裸体を披露してきた女優・愛染恭子さんのヌード引退作となる『奴隷船』が3月6日に初日を迎え、銀座シネパトスで愛染さん、共演の諏訪太朗さん、金田敬(かねだ・さとし)監督らが舞台あいさつをおこないました。
『奴隷船』は、SM小説の大家である団鬼六さんの同名小説の映画化。「愛染!」と客席から声援が送られる中、舞台に登場した愛染さんは「団鬼六先生の作品を最後に裸を引退するということで、すごく光栄に思いました。そして小さな運命を感じました」とあいさつし、大きな拍手を浴びました。
原作者の団さんは体調不良のため舞台あいさつは欠席となりましたが「愛すべきポルノ女優・愛染恭子へ」と題した団さんからの手紙が司会者によって代読されました。「君のヌードがこれで見納めとは残念だが、今後も君は自由に舞い続けるだろう。期待している」という団さんからのメッセージに、愛染さんが眼を潤ませる場面もありました。
『奴隷船』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった金田敬監督、三枝実央さん、愛染恭子さん、諏訪太朗さん、友田真希さん(左より)
「M女の役は初めてだったので、強い女に見えないように目線とかに気を遣いました」という主人公・菊江役の愛染恭子さん
「愛染さんはすごくサッパリした女性。今回、相手役ということでお呼びいただいて光栄でした」と鬼又を演じた諏訪太朗さん
「愛染さんは初めてお会いしたんですけど、少しの時間でも一緒にすごせたことが幸せでした」という共演の友田真希さん
「現場で(愛染さんに)あたたかくご指導いただきました。優しくてカッコよくて目標とする大先輩です」と共演の三枝実央さん
「1度は愛染さんとお仕事をしたいという想いがあって、念願かなって嬉しいです。なんか間に合った気分です」と金田敬監督
原作者の団鬼六さんからのメッセージに耳を傾ける愛染恭子さん(左)と諏訪太朗さん。あたたかいメッセージに愛染さんは眼を潤ませました
今回、相手役をつとめた諏訪さんは「ぼくがまだこの世界に入る前にグラビアや映画でお世話になった記憶があります。そういう方と最後のヌードの作品でベッドシーンをやらせていただき、相手役に抜擢していただいて感謝しています。また普通の芝居で一緒にやりましょう」と、金田監督は「今後は監督業にも進出されるということですけど、あまりぼくの仕事の領域を荒らさないでください。それだけお願いします(笑)」と、それぞれ愛染さんにメッセージを送り、愛染さんは「いままでは裸の世界で頑張ってきたんですけど、これからは脱がないで、女優とか、ちょい監督とか、脱がないことで新しい愛染を見ていただけたらと思います」と力強く抱負を語って舞台あいさつを締めくくりました。
『奴隷船』は3月6日(土)より銀座シネパトスほか、全国順次ロードショー。また、銀座シネパトスでは公開にあわせて「本人厳選! 愛染恭子エロス七番勝負!」と題した引退記念特別レイトショーも開催。会期中には井筒和幸監督や代々木忠監督がゲストとして参加するトークショーも開催されます。