人生に行きづまり、一発逆転を賭けて子供を誘拐した男が思わぬ展開に巻き込まれていく映画『誘拐ラプソディー』が４月３日に初日を迎え、誘拐犯役に挑んだ主演の高橋克典さんが、共演の船越英一郎さん、哀川翔さん、子役の林遼威（はやし・ろい）さん、榊英雄監督とともに角川シネマ新宿で舞台あいさつをおこないました。
映画化された『明日の記憶』などで知られる作家・荻原浩さんの同名小説を映画化した『誘拐ラプソディー』は、俳優としても活躍する榊英雄監督の長編第３作。
撮影中のエピソードを尋ねられた高橋さんは「(榊監督は）往年の伝説になっている監督の生き残りみたい。正直、こっちも熱くなって“もう帰ろうかな”と思ったことも何度もあるんです」と告白。哀川さんも「久々に監督の怒鳴り声を聞きながらやりましたね。俺なんかやったかな？ って一瞬ドキッとするくらい大きな声を出す」と、かなり“熱い”現場だったことを明かしました。
そんなキャスト陣の声に、榊監督は「映画は永久に残るものだと信じているので、残るものにはぼくが責任をもってやりたい。忌憚なき意見を言わせていただいて激突もしましたが、ぼくの映画に対する愛だと思っていただいて許していただくと嬉しいんですけどね(笑)」とコメント。その言葉に高橋さんは「もちろんだよ、榊くん！」と笑顔で応えました。
『誘拐ラプソディー』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった哀川翔さん、高橋克典さんと子役の林遼威さん、船越英一郎さん、榊英雄監督（左より）
「満開の桜とともに、さらにさらにあったかい作品ができあがりました。この日を迎えられて本当に嬉しいです」とあいさつした主人公・伊達秀吉役の高橋克典さん
秀吉に誘拐される家出少年・伝助を演じた林遼威さんは「ぼくはこの映画を楽しんでやったので、みなさんも楽しんでもらえると嬉しいです」とあいさつしました
「ちょうど１年前にみんなでこの映画を作りました。春の訪れとともに、みなさんこの映画であったまっていただければと思います」と黒崎刑事役の船越英一郎さん
「榊監督の映画に対する想いや高橋克典がこの映画に向かう想いというのが充分に伝わる映画だと思います」と伝助の父・篠宮智彦を演じた哀川翔さん
「撮影の初日を迎えてお祓いをしたのがちょうど１年前の今日でした。１年経って初日を迎えられたことをひじょう嬉しく思います。感無量です」と榊英雄監督
「大ヒットを祈念して、みなさんの発展と健康を祈念して、みなさんのネットでのすばらしいコメントを期待して」の三本締めの音頭をとる高橋克典さん(一番右)
舞台あいさつの後半では、人生のリスタートを試みるという映画の内容にちなんで「新しいことへ突き進んでいってほしい。さびしいことがあったら映画館に寄っていただいて、この映画を観るとあったかい気持ちを取り戻して明日に迎えます」（高橋さん）、「いくつになっても再スタートは切れる。いまは世の中もつらいことのほうが多いかもしれませんけど、諦めないで自分の明るい未来を信じ続けることが大事だと思います」（船越さん）、「一番もったいないのは自分からやめちゃうこと。“やめなさい”って言われたらやめればいい。“ダメだ”ってレッテルを貼られるまではやり続けることが大事」（哀川さん）と、それぞれが春から新生活をスタートさせる人たちへのエールを贈り、榊監督は「ぼくは役者を続けるかどうか迷ったときに先輩たちから優しくても厳しい言葉をいただいた。そういう言葉を言える映画人でありたいですね」と抱負を語りました。
そして、高橋さんの「映画を観終わったあとにはみなさんの心の中に満開の桜が咲くことを願っております」という言葉と、高橋さんが音頭をとっての三本締めで舞台あいさつは締めくくられました。
『誘拐ラプソディー』は、４月３日(土)より、角川シネマ新宿ほか全国公開中です。