現在、映画やドラマで活躍中の俳優陣が出演・監督する短編作品を集めた異色の短編映画上映イベント「イトーチューブ Short Movie Collection」が10月8日にシネマート六本木で開催され、上映作に出演している弓削智久さんと藤江れいなさん(AKB48)、ふたりの出演作のメガホンをとった橘康仁監督、辻下直美監督が出席しての会見がおこなわれました。
「イトーチューブ Short Movie Collection」は、多くの俳優が所属するイトーカンパニーグループによるショートムービー集。この日の上映会では、弓削さんと斎藤工さんが主演する『バス停より愛をこめて』、弓削さんの監督作『FREE』、藤江さんが主演する『マネキン少女』のほか、ともさかりえさん主演の『女優T』、蒼井優さん主演の『女優A』などのショートムービーが上映されました。
『マネキン少女』でタイトルどおりマネキン役を演じた藤江さんは「私も今日初めて(完成した作品を)ファンの方と観させていただいたんですけど、ファンの方からも“マネキンっぽくてよかったね”と言ってもらえたのでよかったです」と感想を述べました。
監督の「妄想が実現した」ショートムービー公開:「イトーチューブ Short Movie Collection」上映会会見
会見に出席した辻下直美監督、藤江れいなさん(AKB48)、弓削智久さん、橘康仁監督(左より)
『バス停より愛をこめて』主演/『FREE』出演・監督:弓削智久さん
『バス停より愛をこめて』の主演をさせていただきました弓削智久と申します。もともと、(斎藤)工くんと橘さんと面白いことをやろう、一風変わったことなんだけれども観るとホッとするような、少し笑顔になるような、そういう作品を作ろうと一致団結して作った作品です。ほんとにシュールな世界観の中に、昔懐かしの悪役の格好をして、大男ふたりがやっている会話劇なんですけど、こういう作品は自分自身がすごい好きなので、撮影はほんとに楽しめました。
『マネキン少女』主演:藤江れいなさん(AKB48)
『マネキン少女』に出させていただきましたAKB48の藤江れいなです。よろしくお願いします。私は「現実にはあり得ない役をやってみたい」というのを監督が聞いてくださって、こういうふうに作ってくださった作品なんですけど、人間ではない役なので「どうやったら人間っぽさをなくしてできるんだろう?」というのがすごい難しかったんですけど、監督にもいろいろと指示をしていただいて、一歩足を出すにも、ちょっとカクってやったり「そういうのを入れたらマネキンっぽくなるんじゃない?」とかアドバイスをいただいて撮影に挑ませていただきました。
『バス停より愛をこめて』橘康仁監督
普段はテレビドラマのプロデュースをしているのですが、今回は演出ということで『バス停より愛をこめて』を監督させていただきました橘と申します。撮影したのは、もう2年くらい前、2009年の夏ごろだったかと思います。もともとはイトーカンパニーさんでずっと作っていた「イトーチューブ」というシリーズがあり、弓削さんともうひとり毎回ゲストアクターの方をお呼びしているんですけど、そのときは「斎藤工さんと一緒にやろう」ということだけが先に決まっていて、それから一緒に打ちあわせをして「どんな内容がいいだろうか?」といろいろと話す中で、弓削さんと斎藤さんのおふたりのアイディアによってこの作品が生まれました。
(主演の弓削さんと斎藤工さんの印象は?)「なんて好青年なんだろう」というのが偽らざる気持ちですね。ふたりともちょっとシャイで気遣いができて、距離感を大切に相手のパーソナルゾーンに乱暴には踏み込まないみたいな、そういうふたりが揃った雰囲気をそのマンマ作品にしようというところがぼくが唯一こだわったところです。それは意外とできていると思っていて、おふたりのカッコよさみたいなものが、女性ならずとも男も惚れこむという印象がありましたね。
『マネキン少女』辻下直美監督
『マネキン少女』の脚本・監督をさせていただきました辻下です。よろしくお願いいたします。この作品は先月の9月18日に撮影がおこなわれまして、今日の上映会に向けての撮りおろし作品となっています。
(藤江さんの印象は?)今回の打ちあわせでお会いしたときに「もうフィギュアにして持ち帰りたいくらいかわいい!」というのがありまして(笑)、きっと彼女がショウウィンドウに入ってマネキンになったらどんなにかわいいんだろうというのがありまして、今回はその妄想を実現いたしました(笑)。
今後演じてみたい役を質問されると、弓削さんは「(いままでは)悪役が多いので、30歳を越えましたし普通の平凡な役もやってみたいですし、少しいい人も演じていきたいなと思っています。いまも舞台をやっているのですが、最近はコメディが続いていまして、コメディって自分にはあっているのかなと思うようになってきたので、そういう作品もやっていきたいと思います」と回答。橘監督は「(『バス停より〜』の)現場では“同じメンバー同じ設定でまたやりたいね”みたいな話も出ていたので、お互いがんばってまた集まれたらいいなと思います」と抱負を口にしました。
また、今回マネキンを演じ、今後公開の別の作品でもちょっと変わった役を演じているという藤江さんは「できるのならばそろそろ人間の役をやってみたいと思います(笑)」とコメントしましたが、辻下監督からは「次はぜひ、企画の段階で出ていた、ティンカーベルのような妖精の役をやってもらえたらなと思います」と、引き続き“人間以外”役のリクエストが寄せられました。
この日の上映会が映画館での初お披露目となった「イトーチューブ Short Movie Collection」は、11月12日(土)より下北沢トリウッドにて「女優シリーズ」「バディムービーシリーズ」「モンスターシリーズ」の3プログラムに分けて2週間限定ロードショー公開。公開期間中にはゲストの来場も予定されています。